平穏だった東京市場、海外勢休暇中の「特殊事情」も

日銀の追加緩和観測も浮上

ロイター
4月6日、週明けの東京市場は、意外なほど落ち着いた展開となった。3月米雇用統計で非農業部門雇用者数が大幅に下振れしたが、日本株やドル/円の下落幅は限定的となった。都内で2009年11月撮影(2015年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 6日 ロイター] - 週明けの東京市場は、意外なほど落ち着いた展開となった。3月米雇用統計で非農業部門雇用者数が大幅に下振れしたが、日本株やドル/円の下落幅は限定的。米失業率や賃金はむしろ改善し、米景気への強気な見方を変える必要はないとの声も多いほか、日本市場では公的マネーの買い期待も強いという。ただ、休みの海外投資家が多いという特殊事情もある。6日の欧米市場に入って急変するリスクは見ておく必要がありそうだ。

米雇用はさほど悪くないとの見方

3月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が12万6000人増と市場予想の24万5000人増を大きく下回り、ネガティブ・サプライズとなるはずだった。

だが、週明け6日の東京市場は意外にも冷静な展開をみせた。日経平均<.N225>の下げ幅は200円に届かず、一時は10円安水準まで下げ幅を縮小。ドル/円も前週末は118円後半まで下落したが、119円台を回復している。

底堅さの理由の1つは、米雇用状況が3月の非農業部門雇用者数から受ける印象ほどは、悪くないとの見方が浮上しているためだ。失業率(U3)は5.5%で横ばいであったが、正規雇用を望みながらパートタイムで働く人などを含めた広義のU6の失業率は11.0%から10.9%に低下。賃金も0.3%上昇し、前年比では2.1%の上昇となった。

さらに非農業部門雇用者数を細かくみていくと、建設のなかで、住宅の配管や電気設備を担うSpecialty trade contractorsやレジャーのなかのAccommodation(宿泊設備)が減っており、寒波の影響が大きかったことを示唆している。「4月雇用統計は、全く印象の違う強いものになる可能性もある」(三菱東京UFJ銀行シニアマーケットエコノミストの鈴木敏之氏)という。

東京市場の「特殊事情」

ただ、東京市場の「特殊事情」が、日本株やドル/円の底堅さを演出した可能性もある。外為市場では、公的マネーのドル買い/円売り観測が出たという。「ドル/円で119円を割らせたくないような買いがみえたことで、そうした観測が広がったようだ。そうなれば売り込むのは難しい」(国内証券)との声が聞かれた。

日本株市場では、公的年金の買いといった観測は聞かれなかったが、前場がマイナスで終わったことで、日銀のETF(上場投資信託)買いへの期待感も強まった。「日経平均で1万9000円以下は押し目買いを入れたい投資家も多い。米株が多少下落したとしても、下値は堅くなりそうだ」とみずほ証券・エクイティ調査部シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏はみる。

さらに米景気減速の懸念が強まってきたことで、日銀の追加緩和観測も浮上してきた。「統一地方選を過ぎれば可能性は高まる」(岡三オンライン証券・投資戦略部部長の武部力也氏)とみる声もある。

今週7─8日の日銀会合では、政策据え置きとの見方が市場で多いが、自民党の山本幸三衆院議員などは、今月30日が追加緩和に「良いタイミング」としている。

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