賃上げ率、額とも17年ぶりの高水準に

「実質賃金プラス転換」に期待

岡田 晃
大企業は人件費抑制から賃上げへ舵を切る

 今年の賃上げは17年ぶりの高水準となることが確実になりました。経団連が16日に発表した第1回集計によりますと、ベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた賃上げ率は2.59%となりました。これは前年の同時期実績(2.34%)を上回り、1998年以来17年ぶりの高い伸びです。

 この集計は、東証1部上場、従業員500人以上の249社を対象に行ったもので、回答または妥結済みで比較可能な62社の結果をまとめています。それによると、賃上げ金額は8502円で、金額でも17年ぶりの8000円超えとなりました。

 業種別では、機械金属の伸び率が2.95%(金額では8641円)と最も高く、次いで自動車2.91%(同9835円)、繊維2.59%(同7905円)の順。製造業平均では2.64%(8630円)でした。非製造業は2.35%(7937円)とやや低くなっています。製造業の賃上げのほうが高くなったのは、円安による業績回復が貢献したとみられます。

 一方、労働組合側も集計結果を発表しています。連合が14日現在でまとめた結果(第4回集計)によると、ベアと定昇を合わせた平均賃上げ率は2.24%(金額では6670円)で、前年同時期を0.07ポイント上回っています。こちらは連合傘下の2587組合、組合員数215万7000人余りが対象です。経団連の調査に比べると調査対象が多く一部中小企業も含まれるため、賃上げ率や金額が経団連調査よりやや低めに出る傾向があります。

 賃上げ状況については、日本経済新聞も独自に調査・集計しています。19日付の記事によると、6日時点でまとめた第1次集計結果は平均賃上げ率(ベア・定昇合計)が2.43%、金額は7473円で、こちらも98年以来17年ぶりの高い水準となっています。

 こちらの調査の集計企業数は220社で、ちょうど経団連調査と連合調査の中間的な範囲をカバーしていることになります。それが賃上げ率の数字にも表れていると言えます。

 余談になりますが、私も日本経済新聞時代は毎年、春闘の取材に駆け回った経験があるので、懐かしい思いでこの記事を読みました。

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