イード・宮川社長「当社はデジタル世界の『梁山泊』だ」

新規公開企業のトップにナマの声を聞く連載第18弾

角田 佐哉香
宮川洋社長の後ろの壁には、イードが運営するサイトのロゴが並ぶ(撮影:梅谷秀司)

 「IPO会社の社長に聞きた~い!」。インタビューならびに構成、原稿執筆を担当する角田佐哉香です。今回登場するのは3月24日に東証マザーズへ上場した イード(6038)の宮川洋社長です。東京・西新宿にある本社へお邪魔しました。

東京・西新宿にあるイードの本社

 同社はインターネットを使ったビジネスを展開する会社です。具体的には自動車、映画、ファッションなど幅広い分野の情報サイトを運営。カバーするのは19のジャンルで、手掛けるサイト数は34に達しています(1月末時点)。運営するサイトのジャンルのニュース記事などもネット上で提供しています。

 株価は上場当日に公開価格1400円を46%上回る2050円で初値がつきました。同日中に一時、2392円まで値を上げましたが、その後は冴えない値動きとなっています。先週末8日の終値は1707円でした。

 Webメディアを取り巻く環境は常に変化を続けています。日々新しいサイトが生まれては消えていく中、どのようにして他社との差別化を図り、生き残っていける強いサイトをつくり出そうとしているのでしょうか。

(編集部)同社は2000年、インターネット総合研究所の100%子会社として設立された。当時の社名は「IRIーCT」だった。現在の主力のビジネスはサイトの運営やニュース記事のコンテンツ提供などを行うメディア事業。顧客企業のマーケティング支援などを目的とした調査やEC(電子商取引)関連のソフトウエア提供なども行う。全体の売り上げに占めるメディア事業の比率は約68%(前14年6月期)。サイト運営の儲けの柱は広告掲載企業からの収入だ。運営する情報サイトの各ページがユーザーに閲覧された回数(ページビュー、PV)は月平均で1億件を超す。ページビューが増えれば媒体力が高まるため、広告収入増につながりやすい。自動車関連ニュースを取り上げる「レスポンス」、IT情報を扱う「RBB TODAY」などがページビューの多いサイトだ。一方、コンテンツ提供は、提供先からアクセス数に応じて一定の金額を得るというビジネスモデル。ニュースの提供先はヤフージャパンを始め、延べ142サイトを数える。メディア事業ではすべてのサイトを一つのプラットフォームで運営しているのが強みという。

デジタル世界の“梁山泊”を作りたい

 ーー一つのプラットフォームですべてのサイトを運用しています。

みやかわ・ひろし●1988年アスキーに入社。インターネット総合研究所を経て2000年に当社役員、02年社長就任、現在に至る。

 34のサイトを一つのプラットフォームで運用することで、マネタイズ(ネット上の無料サービスから収益を上げる方法)のノウハウを共通化し、効率的に運営することが可能になります。

 もともと多くのメディアを買収し、それぞれ異なるフォーマットで運用していましたが、2000年中ごろから10年くらいにかけてこれらを一つのフォーマットで動くようにしました。その結果、一つ変えれば、10~30のサイトで改善ができるようになりました。相乗効果が出て収益体質の強化につながったのです。

 ーー共通のプラットフォームによる効率化とは、たとえばどのようなことを指すのでしょうか。

 サイトのジャンルが異なれば(改善のために)やるべきことも違うのではないかと思っていましたが、多少の違いはあっても基本的には同じということがわかりました。

 たとえば、自動車のサイトで、パソコン画面上のバナー広告の位置を右上ではなく右中段にすることによってCTR(広告がクリックされる割合)が20%改善するという結果が出たとしましょう。同様の取り組みをITのサイトでも行ったら同じく20%改善した、という具合です。そうすると、「アニメのサイトでもやってみよう」となる。

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イード (6038)

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