日本企業「最高益」の裏側、四半世紀伸びない売上高

「稼ぐ力」に疑問符

ロイター
5月28日、株高の背景には国内企業の業績改善があるが、売上高の伸び率は上場企業数の増加ペース並み。1社あたりの売上高は1989年のバブル時とほぼ変わらない。都内のビジネス街で3月撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 28日 ロイター] - 日本株高の背景に、国内企業の業績改善があるのは間違いない。上場企業の利益は過去最高を更新した。しかし、売上高の伸び率は上場企業数の増加ペース並み。1社あたりの売上高は1989年のバブル時とほぼ変わらない。

利益を3倍近くに押し上げたのは、コスト低減や金利低下、税負担の軽減など。日本企業は「筋肉質」になってはきたが、本来の利益の源泉であるキャッシュを稼ぐ力がついたのか、断定できない要因が数多くある。

最終利益に近づくほど高まる増加率

株高を裏付ける「利益」は、確かに増えている。みずほ証券リサーチ&コンサルティングが集計した東証1部上場企業の純利益は、1989年度の10.1兆円から2014年度の30.5兆円に3倍化し、過去最高益を更新した。

上場企業の数も1160社から1882社に62%増加しているが、利益の増加ペースはそれ以上だ。発行株が32%しか増えなかったこともあって、東証1部上場企業の1株当たり利益は実績ベースで88円と当時(40円)の2倍以上となっている。

こうしたデータを根拠にすれば、今の株高に何ら問題はないと言い切ることが出来そうだ。だが、その利益の中身を吟味すると、小首を傾げたくなる。

利益の源泉であるべき売上高。東証1部企業全体の売上高は、89年度の419.8兆円から702.2兆円と67%の増加。銘柄数の増加率とほぼパラレルだ。1社あたりにすれば3615億円から3731億円で25年間で3.1%の増加にすぎない。

一方、利益面は急増している。営業利益(金融機関を除く)は17.6兆円から39.2兆円と2.2倍。経常利益は21.8兆円から50.6兆円と2.3倍、純利益は3倍化と最終利益に近づくに従い、増加率が高くなっているのが特徴だ。1社あたりの純利益をみても、87.5億円から162.4億円と倍化した。

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