インタビュー:議決権行使、次の注目は「報酬」=米ISS石田氏

ROE基準は5%で継続

ロイター
6月19日、米議決権行使助言会社ISSの石田猛行エグゼクティブ・ディレクターは、議決権行使の次のテーマとして、「報酬」に焦点が当たるとの考えを示した。都内で4月撮影(2015年 ロイター/YUYA SHINO)

[東京 19日 ロイター] - 米議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)の石田猛行エグゼクティブ・ディレクターは、ロイターのインタビューで、海外投資家から注目されてきたROE(自己資本利益率)基準、複数の社外取締役に続く議決権行使のテーマとして、「報酬」に焦点が当たるとの考えを示した。

報酬額自体よりも、その結論を導き出したプロセスが、より重視されるという。

また、2015年から導入した取締役再任を問うROE基準に関して、過去5年間で平均5%という水準の引き上げは、考えていないことも明らかにした。

主なインタビューの内容は以下の通り。

──トヨタの種類株発行が可決された。あらためて議案に反対した背景を教えてほしい。

「個別の案件には答えられない。ただ、一般論として、投資家の種類株に対する評価はネガティブだ。種類株を出すことで複雑になることを嫌う海外投資家は多い」

「加えて日本は取締役会が内部者で構成されており、その点で欧米に比べてガバナンスが遅れている。そこを改善せずに、海外市場で種類株が多いからと言って、取り入れるのはおかしい。日本ではまだバランスが取れていない」

「海外投資家からみて、日本市場の良いところは単純であることだ。普通株以外は基本的にはないというわかりやすさ、ワンシェアワンボート(1株1票)がメリットだった。ただ、種類株の発行が広がれば良さが崩れかねない」

──今年からROE基準を導入した。

「日本の問題点である資本の生産性の改善を促すためだ。本来、社長人事は取締役会での決定事項だが、内部者で占められる取締役会では、その実質的機能を期待することは難しい。そのため株主が、ROEを基準に反対してもいいはずと考えた。JPX日経400<.JPXNK400>や伊藤レポートなどROEを使える環境が整っていたことも大きい」

「ROE基準だけでみると、6月にリサーチした約2000社のうち25%ぐらいの企業に対して反対した。基準となる数値は未来永劫(えいごう)固定ではないが、資本の生産性を高めるというメッセージを出すことが重要であり、水準の引き上げは重要ではない。5%は最低限の数値であり、企業側の納得感も得られる」

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