バイオベンチャー株投資で見極めたい「トップの資質」

ベイスターズ健闘の裏に名経営者の存在が

横浜DeNAベイスターズの南場智子オーナー(撮影:尾形文繁)

 一時の勢いはなくなってしまったが、横浜DeNAベイスターズが予想以上に健闘している。ポイントはどこにあるのだろう。新人ストッパー山崎の予想外の活躍か。4番バッター筒香の覚醒も見逃せない。助っ人外国人獲得に当たるフロントの能力の高さも無視できない。

 中畑監督の采配が機能しているという意見もある。個人的に中畑監督は巨人時代から好きな選手の一人だが、野球人としての言動からして名監督の器とは思えない。彼の勝利インタビューはまるで応援団長そのものである。それに、中畑監督の監督業がスタートしたのは今年ではない。

 横浜DeNAベイスターズの昨年との最大の違いは何か。それはオーナーだ。日本のプロ野球界80年の歴史において、初の女性オーナーである南場智子氏を登用した。彼女は言わずと知れた「モバゲー」でおなじみ、ディー・エヌ・エー (2432)の創業者である。

 南場氏は世界的なコンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーの出身。球団オーナーとして優れているかは専門家の評価に委ねるとしても、経営者としての能力の高さは疑いようがない。短期間でディー・エヌ・エーを優良企業に育て上げ、電光石火の早業で横浜DeNAベイスターズを傘下に置いたのも現在の成功につながった。楽天 (4755)などと比較しても経営判断の速さは際立つ。ディー・エヌ・エーのトップからの退任のタイミングも絶妙だった。

 企業経営にとって、経営者が重要なのは言うまでもない。ベンチャー企業のトップの重要性は大手企業とは比較にならないほど高い。大手企業はトップが凡庸でも経営陣に多少なりとも優れた人材がいるものだ。大企業は実働部隊のリーダーが優秀ならば、経営にはさほど問題がないともいえる。だが、ベンチャー企業では経営トップが愚鈍ならば企業の存続すらおぼつかなくなる。

 たたき上げや二世経営者が悪いわけではない。しかし、グローバル化が進んでさまざまなリスクを回避する必要のある段階に達すると、リスク対応は経営者にとって必須になる。海外のM&Aに尻込みするようでは、優れた経営者とは言えまい。制度が整っていない新興のビジネスでは特にトップの舵取りが生き残りを大きく左右する。

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