8月まで2万円前後のモミ合い、人気実力株の押し目を狙う

中国株安が消費マインドにどう響く

古庄 英一

 来週は、ギリシャと中国が発端のリスクが鎮まれば、為替が円安方向に巻き戻すため、「外需株はリバウンドする」との見方が、市場関係者の大勢だ。つまりは、10日の値動きに見られたように、前日大きく売られた銘柄を押し目買いし、その翌日は前日上げ幅が大きかった銘柄を換金売りするポジショントレードの手口が一法だろう。

 短期と中期の相場レンジを東海東京調査センターの中井裕幸チーフグローバルストラテジストに予想してもらった。「8月までは日経平均2万円前後でモミ合う展開が続く」としたうえで、その後は「資源国を中心に世界景気が悪化するシビアな展開もありうる」とした。

 東海東京調査センターによると、上海総合指数が6月12日の直近ピークから7月8日までの短期間に3割超も安くなったので、時価総額に換算すると約250兆円が毀損したことになるという。急落前の中国株式市場(上海と深セン)の時価総額は1100兆円を超えて、東京市場の1.8倍まで膨らんでいた。それが今回の急落で、上海総合指数だけで22%分の時価総額を吹き飛ばしたことになる。

 中井氏は「国内消費への衝撃度がどの程度なのか。原油など国際商品市況が中国需要で弱含みとなるし、半導体など中国に依存する製品も需要の落ち込みが想定される。また消費マインド低下で、自動車やスマホの国内販売が落ち込むし、日本への観光客も来なくなる心配がある」と衝撃度が大きいほうのシナリオを語る。

 もしそうなると、グローバル展開する日系部品メーカーと、インバウンド(訪日外国人)で潤っている内需サービス業の一角は、業績に暗雲が立ち込める。上海株の急落の痛手で中国経済が蝕まれると、相場を牽引する人気実力株にも打撃を与えるのか、注意したほうがよいだろう。

 もっとも、これまで欲しい銘柄が買いたくても手が出せなかった個人投資家は、安値をつければ長期保有を前提にチャンスが拡大する。リーマンショック時のような上場企業の業績が軒並み悪化することがない限り、全体相場が大崩れすることは起こりえないからだ。

 いずれにせよ物色の矛先は、人気実力株の押し目、下値狙いということに変わりはない。

(「株式ウイークリー」編集長 古庄英一)

 

ページトップ