訪日外国人の急増で浮上した「意外な問題」とは

1~6月訪日客は913万人!

岡田 晃
インバウンド消費が急増したがゆえに浮上してきた新たな課題もある(撮影:尾形文繁)

 訪日外国人増加の勢いが一段と加速しています。日本政府観光局がこのほど発表した今年1~6月の訪日客数は前年同期比46%増の913万9000人に達し、過去最高を記録しました。このペースでいけば今年は1800万人前後に達する見込みです。

 訪日客数は2011年に東日本大震災の影響で落ち込んだ後、12年から増え始め、13年には初めて1000万人を超え、14年は1341万人となっていました。今年は半年間ですでに昨年の70%近くに達しています。人数の増加もさることながら増加率の拡大が顕著で、今年1~6月の増加率46%は14年(暦年)の29%をはるかに上回っています。

 国別では中国からの訪問客が最も多く、1~6月で前年同期比2.16倍の217万8600人となりました。次いで2位が韓国で42.6%増の181万9300人、3位が台湾で28.9%増の179万2600人でした。

 昨年は台湾が1位で、2位が韓国、3位が中国でしたが、中国がトップに躍り出た形で、外交関係が悪化している中国と韓国からの訪問客が、親日と言われる台湾を人数、伸び率ともに上回っているのが特徴的です。またアジア諸国や米国、欧州各国からの訪問客も2ケタの伸びを示しています。

 以前にもこの連載で書きましたが、訪日客増加の要因は①ビザの緩和など政府の政策、②円安、③日本の魅力への評価ーーの3つが挙げられます。特に重要なのは③で、日本の文化や自然などへの関心が海外で高まっています。最近では、日本に観光で訪れた際にきめ細かなサービスなど「おもてなし」に感動した人が再度訪れるというリピーターも増えているそうです。したがって訪日客増加の基調はまだまだ続くものとみられます。

インバウンド消費には副作用も

 このような訪日客の増加が大きな経済効果をもたらしていることは疑いありません。14年の訪日客の消費額は前年比43%の2兆278億円でしたが、人数の増加率以上に消費額の増加が大きいことを示しています。中国人観光客の「爆買い」がたびたび話題になり、株式市場では小売りやホテル、鉄道、空運などインバウンド消費関連銘柄への物色が続いています。これは一時的な動きではなく、息の長いものになるでしょう。

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