鉱工業生産速報、4─6月期は3四半期ぶり減産 在庫調整進まず

前月比では0.8%上昇だが……

ロイター
7月30日、経済産業省が発表した6月鉱工業生産指数速報は前月比0.8%上昇した。写真は京浜工業地帯の工場、川崎市内で6月撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 30日 ロイター] - 経済産業省が30日発表した6月鉱工業生産指数速報は前月比0.8%上昇し、事前予想を上回ったものの、内容は芳しくなかった。出荷の勢いに強さがないため、自動車と建設機械を中心に在庫が再び積み上がっている。先行きの増産計画も需要の大幅回復がない限り、いずれ減産を余儀なくされる可能性が高い。

経済産業省は「在庫調整は後戻りしている感じだ」とし、今回の結果を決して前向きにとらえていない。

6月の生産は確かに前月の予測を上回り、数字上は悪くない。内外需の需要が回復した普通乗用車や自動車向けプラスチック製品、新製品効果やインバウンド需要の旺盛な化粧品、マイナンバー対策向けの企業向けパソコンなどが回復に寄与した。

しかし、乗用車はそれほど需要が強くないために「やや作り過ぎ」(同省)の傾向があり、在庫は前月比7.7%上昇して再び積み上がり気味だ。中国など新興国減速の影響を受けている建設用機械もショベル系掘削機やクレーンなどの在庫が積み上がっている。

また、4─6月の生産は前期比1.5%の低下となり、3四半期ぶりの低下となった。出荷は前期比2.5%減、在庫は0.9%増となり、出荷に対する在庫率は1.5%高くなった。

生産予測指数は7月が前月比0.5%上昇、8月が同2.7%の上昇。7月は海外からの受注が入っている一般機械や、定期修理前の増産を計画する化学が押し上げる。8月は夏場の増産サイクルに入る電子部品・デバイスや情報通信工業が寄与する見込み。しかし、輸送機械は一進一退予想で、回復の兆しはあまり見えない。

SMBCフレンド証券・チーフマーケットエコノミストの岩下真理氏は、「輸送機械は引き続き在庫水準が高いことが気になるが、米国向けの回復やインバウンド需要の観光バス不足向け増産、軽自動車の在庫調整進捗なども期待でき、増産は可能だろう。4─6月期の実質GDPはマイナス成長は避けられないが、7─9月期持ち直しのシナリオは維持できよう」と話す。

しかし、経済産業省は「在庫積み上がりの状態で2カ月連続の増産は難しく、どこかで減産になるだろう」と見ている。このため、生産の判断は従来通り「一進一退で推移」として据え置き、まだ生産の回復には注視が必要だとした。

*内容を追加します。

(中川泉 編集:橋本俊樹)

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