ヤマ場迎えるドル/円、米雇用統計次第で13年ぶり高値も

「黒田シーリング」は過去?

ロイター
 8月7日、ドル/円の上昇に勢いがつくか、今晩発表の米雇用統計に注目が集まっている。都内で昨年1月撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 7日 ロイター] - ドル/円の上昇に勢いがつくか、今晩発表の米雇用統計に注目が集まっている。強い内容となれば米国の9月利上げ予想が補強され、6月につけた13年ぶり高値の125.86円を試す展開が予想される。

 市場では、円安をけん制した「黒田シーリング」は過去のものになったとの見方もあるが、一段と円安が進行すれば、支持率低下を気にする政府からのけん制もあり得ると警戒する声も出ている。

予想の範囲内でも9月米利上げ織り込みか

 ドル/円は5日のニューヨーク市場で125.01円まで上昇した後、124円後半の高値圏で推移してきた。米アトランタ連銀のロックハート総裁が米紙のインタビューで、米経済が大幅に落ち込まない限り、9月の利上げを支持するとの見解を示したことが支えとなっている。

 米雇用統計についてロイターがまとめた市場予想では、非農業部門雇用者数が22万3000人の増加、失業率が5.3%となっている。市場では「数字がかなり良ければ125.86円を抜ける可能性が高い。また、予想の範囲内であっても、ロックハート総裁が『大幅に落ち込まない限り』と話している以上、利上げを織り込みにいくだろう」(クレディ・アグリコル銀行のエクゼクティブディレクター、斎藤裕司氏)との声もあり、大きく予想を下振れなければドルは上昇するとみている。

9月雇用統計の見極めも 

 一方、今回の雇用統計の数字だけでドルが125.86円を突破していくのは難しいとの見方もある。三菱東京UFJ銀行のチーフアナリスト、内田稔氏は、4─6月分の雇用コスト指数(ECI)の伸びがさえず、ADP全米雇用報告の伸びも低かったことを踏まえると、「雇用統計はそれほど強い数字が出てこない」と予想。ドルが6月高値を突破し、そこからさらに上がっていくためには追加の情報が必要となりそうだとしている。

 また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ為替ストラテジスト、植野大作氏は、9月16─17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)までには、もう1回、雇用統計の発表があると指摘。「強い内容が出れば125円台に乗せ、125.86円をつけにいく展開があるかもしれないが、今回の雇用統計だけで9月利上げ予想を固めないのではないか」とし、次回の雇用統計を見極める動きになるとみている。

 市場予想を大幅に下回れば、期待感が高まっているだけにドル売りで反応する可能性がある。ただ、「利上げ計画自体をキャンセルに追い込むような悲惨な内容にならない限り、ドル高/円安の方向感は変わらない」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野氏)との見方も多い。結果が悪かったとしても「123円を割り込んでいくイメージはわかない」(外銀)との声も出ている。

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