下がり続ける中国経済の“体温”

卸売物価指数の落ち込み幅拡大

岡田 晃
中国の卸売物価下落は企業活動の停滞などを示唆している

 中国株の急落から約1カ月。同国政府の強力な市場介入で株価下落は止まっていますが、国内経済への懸念は依然として強い状態が続いています。

 そんな中で中国国家統計局がこのほど発表した7月の卸売物価指数が前年同月比5.4%減となり、経済の低迷ぶりをあらためて示しました。下落幅は前月の4.8%減より0.6ポイント拡大し、リーマンショック後の2009年10月以来の大きさです。

 卸売物価指数は企業間で取引される価格を指数化したもので、出荷や卸売り段階での需要と供給の変動を反映します。いわば消費者物価指数の“上流”に当たるもので、消費者物価の先行指標ともいえます。

 中国の卸売物価指数はリーマンショック後の08年12月に下落に転じた後、一時はプラスに回復しましたが、12年3月以降は再びマイナスとなり、以来3年5カ月連続でマイナスが続いています。特に今年に入ってからマイナス幅は一段と拡大しており、7月にはこの間の下落の中でも最大のマイナス幅になりました。

 これは、企業活動の鈍化で需要が伸びないことに加えて、鉄鋼など基礎資材や多くの製品分野で供給過剰に陥ったまま、それを解消できない状態が続いているのが背景です。まさに今の中国経済が抱える構造的な問題が、卸売物価指数に表れているのです。このため、卸売物価がプラスに転じるのは容易なことではなさそうです。

 通常、デフレか否かは消費者物価指数を主な判断材料にしますが、卸売物価が消費者物価の先行指標的な性格を持っていることを考えると、今の中国にはデフレの兆しがあるとさえ言えるわけです。少なくとも“川上”からデフレ圧力が強まっているのは間違いないところです。

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