トヨタ、日化薬にインフレーター増産要請 タカタ製品を一部交換

1300万個を供給

ロイター
8月21日、タカタ製エアバッグ事故によるリコール拡大で、トヨタ自動車が日本化薬にインフレーターの増産を要請したことが分かった。都内で昨年11月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 21日 ロイター] - タカタ<7312.T>製エアバッグ事故によるリコール(回収・無償修理)拡大で、トヨタ自動車<7203.T>が日本化薬<4272.T>にインフレーターの増産を要請したことが分かった。販売した車に搭載している一部のタカタ製との交換に備える。

事故原因は最初のリコールから7年経った今も判明していない。原因究明にはまだ時間がかかるとみて、トヨタは顧客の安全を優先するため代替品の確保に動き出した。

複数の関係筋によると、トヨタは7月、日本化薬に運転席・助手席側合わせて約1300万個の交換用インフレーターの供給を求めた。納入期間は来年7月から2020年末まで。他社の車で死亡事故が起きた運転席側から順次納入できるよう、生産能力の増強も依頼した。

事故が起きやすい要因として高温多湿の環境に加え、製品の経年劣化が指摘されているため、トヨタはリスクが高まる一定の年数を経た古いインフレーターから徐々に交換を進めたい考え。トヨタの今回の対応はすべてのタカタ製品の交換が目的ではなく、同社との取引解消は意図していない、と関係筋は話す。

タカタ製品の不具合に関し、トヨタが独自に原因調査をしているほか、同社を含む自動車メーカー10社も共同で調査機関に解明を依頼している。共同調査の結果は早くても17年春ごろになる見通し。トヨタは自社が10年に起こした米国でのリコールの反省を踏まえ、顧客の安全を最優先する必要があると判断、今回の措置を取った。

トヨタのこれまでのリコールは運転席・助手席側合計で1200万台超に上っている。製造時期が新しい車も対象になりつつあり、原因不明のままでは、リコール台数は日を追うごとに増え続けるおそれがある。

インフレーターは大きさや発注量などによってその単価も異なるが、平均で1個1000円前後といわれる。トヨタが今回調達するインフレーターの費用は不明だが、100億円規模になる可能性がある。

タカタ製エアバッグは、作動時に異常展開し、エアバッグを膨らませるインフレーター容器の金属片などが飛散した死傷事故を起こした。これまで海外で8人が死亡、100人以上が負傷している。

リコールの対象になった車は世界で数千万台規模に膨らんでいる。このため供給不足になっている種類のインフレーターもあり、「新品は安全」と説明するタカタをはじめ、ダイセル<4202.T>など同業他社も代替品の生産を急いでいる。

 

(白木真紀 取材協力:舩越みなみ)
 

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