マイナンバー関連の本命はどの銘柄だ?

四季報最新号から選んだ関連72銘柄

伊波 紗友里
マイナンバー制度のセミナーには多くの人が足を運んだ(撮影:梅谷秀司)

 「すいません、ただいま満席でして……」歯切れが悪く申し訳なさそうにスタッフがそう言うと、私たちは大勢の人をかき分けて列のいちばん後ろに並びました。

 大規模なIRセミナーに先日、初めて参加しました。想像以上に人が多く、20代の投資家の姿が目立ったのが印象的でした。各出展ブースの担当者によると、少額投資非課税制度(NISA)がスタートしたのをきっかけに多くの若い人が参加するようになったそうです。

 会場全体を歩き回ってみると、特に「観光」や「マイナンバー」関連企業のブースは立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。観光といえば、株式市場でも注目テーマの一つ。2020年に行われる東京オリンピック・パラリンピックという大きな目玉になる材料を内包しています。市場では今年世界遺産に登録された明治日本の産業革命遺産を多く抱える九州の会社にも熱い視線が注がれています。

 観光と並ぶもう一つの本命ともいうべきテーマが「マイナンバー制度」。すべての国民に番号が割り振られて住民票や年金、健康保険などの番号が一元化されるもので、来年1月から制度がスタート。それに先駆けて来週10月1日(木)から1人ひとりに12ケタの番号が通知されます。

 マイナンバーをめぐっては行政手続きが簡単になるというメリットがある反面、日本年金機構のサーバーがサイバー攻撃を受けて100万件を超す大量の年金の個人情報が流失したことなどを機に、ナンバーの情報管理に対する不安が指摘されています。このため、市場ではサイバーセキュリティやITシステムなどの会社が「マイナンバー関連銘柄」として物色人気を集めました。

 政府がサイバーセキュリティの領域に予算を傾斜配分していることなどを背景にマイナンバー関連市場が拡大。その規模は2兆~3兆円ともいわれており、今後も拡大が見込まれます。

 IRセミナーで足を運んだのがFFRI (3692)のブースでした。重要情報を不正に入手しようと特定の標的を狙って偽装メールなどを利用したサイバー攻撃を行う「標的型攻撃」の対策ソフトを提供している会社です。

 同社のIR担当者によると、強みは「技術力」です。既知のウイルスのパターンと照合してウイルスを発見するのではなく、ウイルス特有の構造などを検知することで未知のウイルスなどにも対応できる「プログレッシブ・ヒューリスティック技術」を生かして、ウイルスを高精度に検知することができるそうです。「国内で同技術の研究開発を手掛けているのはおそらく当社のみ」(IR担当者)。

 2015年第1四半期(4~6月)は営業赤字となりましたが、「売り上げ計上が例年、第4四半期(翌年1~3月)に偏重しており、第1~3四半期は利益が上がりにくい」というのが会社側の説明。「サイバーセキュリティ基本法やマイナンバー制度がビジネス展開の追い風になっている」(IR担当者)などと説明しています。

ページトップ