インバウンド系が再起動?小売りの好業績も支えに

海外マーケットの変動に備える

古庄 英一
中国人観光客は8月も増加基調。インバウンド需要は止まらない?(撮影:尾形文繁)

 17日に財務省が8月貿易統計を発表した。気になったのは数量が2カ月連続で前年同月に比べて減少したことだ。米国と中国向けが大幅に落ち込んでしまったが、復調する見通しは描きづらい。輸出関連の業績に黄信号が灯る。

 さて、東京市場は、シルバーウイークで3日間休場。取引再開は木曜日の24日となる。この間、21日には米国の8月中古住宅販売件数、23日は中国とユーロ圏の9月製造業購買担当者景気指数(PMI)など、海外で重要な景気指標の発表がある。また、国内は安保法制の国会審議の幕引き、海外はギリシャ総選挙(20日)と米中首脳会談(25日)といった政治の重要局面が続く。どれもこれも世界マーケットの先行きに影響を与えるので市場関係者は、売買の手掛かりとして見逃さない材料ばかりだ。

 足元は米国利上げ時期が不透明となったことで、ドルを売って円を買う海外投機筋のポジション取りが盛ん。「24日朝方の相場が1ドル118円台も十分にありうる」(国内市場関係者)ので、円高モードを嫌気した取引から始まるとの想定が成り立つ。

 一方、楽観材料もある。訪日外国人(インバウンド)がらみは「再起動」が期待できるからだ。8月に日本を訪れた外国人観光客は前年同月比63.8%増で、このうち中国人客の割合は32%だった。上海株式市場の調整に象徴される中国景気変調で、中国人客の伸びが鈍化すると心配されたが、実際は8月中も従来どおり順調だった。

 中国は、10月1~7日まで国慶節で7連休となる。再び中国や台湾などから大勢の観光客が訪れるので関連銘柄がハヤされている。化粧品大手、飲食予約サイト、免税対応のある家電量販店・百貨店・巨大スーパー・ドラッグストア、ホテルやレジャー施設などを経営する銘柄群だ。

 さらに、連休明けは、25日に自転車のあさひ(3333)、カレーの壱番屋(7630)、カジュアル衣料のジーンズメイト(7448)の3社が四半期決算発表を行なう。今期は厳しい見通しで、訪日外国人関連として材料視される向きもない。それでも意外に結果がよければ好反発するだろうし、翌28日から本格化する2月期決算企業の四半期決算の内容にポジティブなサプライズとなる。

 ちなみに、9月最終週は、28日のウェザーニューズ(4825)ヒマラヤ(7514)西松屋チェーン(7545)ハイデイ日高(7611)しまむら(8227)ニトリホールディングス(9843)、29日のハニーズ(2792)スギホールディングス(7649)平和堂(8276)と知名度の高い銘柄が、四半期決算発表を行う。

 仮に小売りチェーン各社の業績が意外にも良好であれば、外需系銘柄の不振を補う下支え役となる。海外発の変動要因が押し寄せても、その影響はひとまず限定的に抑えられるだろう。

(「株式ウイークリー編集長」 古庄英一)

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