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物価マイナス転落でも日銀総裁はなぜ強気?

8月消費者物価は0.1%下落

岡田 晃
物価見通しについて、強気の姿勢を貫く黒田・日銀総裁(撮影:尾形文繁)

 総務省がこのほど発表した8月の消費者物価指数は、生鮮食品を除くベースで前年同月比0.1%の下落となりました。これは、日銀が量的・質的金融緩和を開始した2013年4月以降で初のマイナスで、デフレ脱却のための「物価上昇率2%」の目標実現は遠のいています。

 消費者物価指数(生鮮食品を除く)は長年にわたるデフレで下落が続いていましたが、日銀が量的・質的緩和に踏み切った翌5月にマイナス圏を脱してゼロとなった後、6月からはプラスに転じ、14年4月には上昇率が1.5%(消費増税による影響を除く)まで拡大しました。

 しかし、その後の上昇率は鈍化傾向を強め、今年に入ってからは0~0.3%の低い水準で推移していました。それが今回の8月でついにマイナスとなったわけです(14年4月~15年3月は消費増税によって前年同月比の数字がかさ上げされているので、物価の趨勢を連続的に判断するには消費増税分を除いた数字を見る必要があります)。

 消費者物価がマイナスとなった最大の原因は原油安です。8月の結果を品目別に見ると、ガソリン(前年同月比17.8%下落)、都市ガス代(9.5%下落)、電気代(5.1%下落)などエネルギーが前年同月比10.5%の大幅下落となりました。これらが物価上昇を0.99ポイント押し下げています。まさに物価マイナスの“主犯”と言っていいでしょう。

 これを受けて市場では、「日銀が物価目標達成のため追加緩和に踏み切るのではないか」との観測が浮上しました。黒田日銀総裁はこれまで「物価目標の早期実現のために必要と判断すれば躊躇なく調整を行う」と発言しており、物価がマイナスとなって目標実現が遠のいたかに見える今はまさにその「調整」、つまり追加緩和が必要なときと見ることができます。

 しかも、8月の消費者物価が発表された9月25日の昼に安倍首相と黒田総裁の会談が行われ、一段と追加緩和観測を強めることになりました。安倍首相がその前日に「アベノミクス第2ステージ・新3本の矢」を発表したばかりというタイミングだったのも注目されるところです。

東洋経済から絶好調企業を先取り

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