9月日銀短観、先行きあらゆる業種で悪化

景況感は加工業種で悪化

ロイター
10月1日、日銀が9月全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の業況判断DIがプラス12となり、3四半期ぶりに悪化した。横浜で9月撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 1日 ロイター] - 日銀が1日発表した9月短観では、企業の景況感は加工型製造業を中心に足元で悪化したが、素材系や内需系業種では改善が見られた。中国減速に端を発した海外経済失速の影響は輸出関連企業の景況感の悪化にとどまり、内需系は堅調だった。

収益・設備投資などの事業計画でも、上方修正の動きが見られる。ただ先行きは製造・非製造業とも全規模で悪化しており、景気悪化への警戒感が表れている。

製造業は大企業で足元3ポイント悪化。原油安や商品市況の下落の恩恵を受けている素材型業種はやや改善、世界経済減速の影響を受けている加工型業種は悪化という構図となった。先行きはいずれも悪化しており、不安は隠せない。

非製造業の大企業は2ポイント改善。貿易量減少の影響を受けている卸売や運輸はやや悪化しているが、小売りや建設、不 動産、サービスなど、インバウンド需要や個人消費が春に比べてやや持ち直していることを映じて、改善した業種が目立つ。ただ、先行きはあらゆる業種で悪化 しており、全体で6ポイントの大幅悪化。内需に関しても不安感はかなり強い。

製品需給判断をみても、国内需給は引き締まり方向にある一方で、海外での需給は足元で悪化している。

・想定為替レート117円台、円安方向に修正

収益計画の前提となる為替相場は、前回調査から円安方向に修正された。すでに6月短観で1ドル115円台へと円安方向 に大きく修正されていたが、一段と足元の相場観を反映した円安方向に切り替えている。ただ8月末以降は足元のドル/円相場が120円を割れるなどやや円高 方向に修正されており、想定為替レートとのかい離は縮小している。

・売上高経常利益率、大企業で過去最高を更新

売上高経常利益率は一段と上方修正された。大企業製造業で7.59%と過去最高水準を更新。中堅・中小企業も上昇傾向。円安や原油安などを背景に利益率は好調だ。非製造業も大企業では4.92%と過去最高となっている。

全規模全産業の年度経常利益、設備投資計画はともに上方修正された。上期経常利益は全規模全産業で7.8%の比較的大幅な上方修正。下期は変更されなかった。

売上計画もほぼ横ばいの範囲内だった。9月短観では、中間決算を控えて企業は事業計画はそれほど変えないのが通例。

設備投資計画は、大企業から中小企業までしっかりと上方修正された。大企業製造業は前年度比18.7%増と大幅な増加計画を維持。ただ上期については製造業を中心に計画下振れが目立つ。その分を下期に上乗せして、年度計画を維持している姿がうかがえる。

*分析を追加します。

 

(中川泉)

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