「TOPIXは半年以内に、直近ピークの1691ポイントを回復する」

日本株担当のイー・コックウェイ氏に聞く

丸山 尚文
(撮影:左・今井康一、右・梅谷秀司)

ーー8月後半から大きく下落しているが、現状をどうとらえているか。

 投資家の反応は、まだ基本的には日本、欧州についてはポジティブ、中国、米国については成長鈍化を見込んでいるようだ。新興国や資源国などエマージング市場については、当面、弱いとみている。

 ポジティブととらえられている日本市場が大きく値下がりしたのは、それまでに他市場に比べて大きく値上がりしたことが理由だ。グローバルでいったんリスクオフの動きが広がる中で、最も利益が乗っていた日本市場が益出しの対象になった。

 世界の株式市場の不透明要素となっている中国経済だが、人民元高が続くかぎり、競争力の回復はないだろう。管理為替制度を維持している以上、ドル高に連動し、競争力がますます低下する。中国の景気のテコ入れは期待薄だ。

 日本市場は、個人的には、TOPIXベースで半年以内に直近ピークの1691ポイントを回復するとみている。もっとも、17年には消費増税が控えており、半年から先がどうなるかはわからないが。

相場が崩れる要因となる資金流出先がない

 足元で、日本市場がこれ以上大崩れしないとみる理由は、マーケットが本格的に下落するために必要な条件が整っていないからだ。本格下落に必要な条件は、①企業業績の悪化、②資金の流出先の存在、の2つ。いずれも満たされなければマーケットは崩れない。

 こう考えると、①の企業業績は世界的に減速、日本も利益成長率が鈍化しており、株を売る理由としては満たされている。しかし、②の資金の流出先を考えると、これが現在はない。世界的な低金利で株に変わる運用先がどこにもないのだ。株価の下落で主力株の割安感も出ており、これ以上大きく株を外す理由がない。

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