「本社東京」はもう古い!? 注目は「地方銘柄」だ!

株価推移でわかった意外な事実

岩崎 日出俊
過去10年のパフォーマンスがよかったのは、意外なことに地方に本社を持つ「地方銘柄」だった

 近未来を見据えた株式投資を考える上での1つのキーワードは、「地方」である。戦後70年、日本は地方から東京へと人材を吸い上げ、一極集中することで、経済活動を効率化し、経済成長を果たしてきた。この間、コマツ(6301:石川県小松市→東京都港区)、大塚ホールディングス(4578:徳島県鳴門市→東京都港区)のように、多くの大企業が本社を地方から東京へと移転させてきた。

 しかしながらその代償として、地方の人口流出・減少は著しくなり、経済も疲弊した。総務省の調べによると、東京都は現在でも年間7万人もの転入超過(転入者ー転出者)であるが、その分、地方は転出超過となっている。また内閣府の調査では、東京都の「1人当たり雇用者報酬」(都道府県別の雇用者報酬総額を都道府県別の総人口で除した数値)が264万円なのに対して、東京都以外では186万円と格差が著しい。

 2014年12月27日付にて閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略」によれば、「このまま地方が弱体化するならば、地方からの人材流入が続いてきた大都市もいずれ衰退し、競争力が弱まることは必至」な状況にある。個別企業が最適な行動(東京への移転)を取ってきた結果、全体としては最適解ではなくなってきているのが現在の日本の状況かもしれない。

東京本社はこれから先も企業にとっての最適解か

 そもそもこれから先の企業にとって、本当に本社を東京に置くことが望ましいことなのだろうか。まずは常識を疑ってみよう。レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長が、上場企業約3500社を本社所在地によって2つのグループに分けた調査を行っている。東京の中枢(千代田区・中央区)に本社がある約650社と、それ以外の会社だ。すると、過去10年間の株価パフォーマンスで、東京中枢に本社を置く企業のグループがそれ以外の会社に対して割り負けたという。

 同じような例で、日本を代表する銘柄30社を集めたTOPIX CORE30(30社のうち25社が東京本社)も、過去10年間TOPIXに対して割り負けてきている。

 そのかわりに目につくのが、ニトリホールディングス(9843)ファナック(6954)ファーストリテイリング(9983)TOTO(5332:「“近未来”を見据えた投資術」シリーズの前回「近未来、日本発のハイテク・トイレは世界に普及するか」で取り上げた)など、地方に本社を残したまま、直接海外に進出している企業の活躍ぶりだ。これらの銘柄の過去10年間のパフォーマンスはTOPIXを大幅に上回る(ニトリ+300%、ファナック+100%、ファーストリテイリング+400%、TOTO+130%)。

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