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難解な「霞が関文学」はこう読み解こう

10月の月例経済報告、景気判断引き下げ

岡田 晃
安倍首相は「経済重視」のスタンスを鮮明にしているが…(撮影:尾形文繁)

 政府は10月の月例経済報告で、景気の現状判断を「一部に弱さも見られる」として、9月の「一部に鈍い動きもみられる」から事実上、下方修正しました。政府が景気判断を引き下げるのは2014年10月以来、1年ぶりです。

 しかし、中長期的な傾向を示す基調については「緩やかな回復基調が続いている」と、従来の表現を維持しました。つまり、現状は「下方修正」だが、基調は「緩やかな回復」が続いているということで、ややすっきりしない内容になりました。

 月例経済報告は、政府が国民に経済の現状を伝えるとともに政策運営に役立てる目的で、内閣府が毎月一度まとめているものです。経済関係の主要閣僚と日銀総裁、与党幹部が出席する関係閣僚会議で経済財政担当相が提示し了承を得て公表されるため、景気に関する政府の公式見解といえます。

 同報告はまず「総論」として景気の現状と基調、先行きについての判断を示します。その表現を変化させることで、判断の前月からの変化を「上方修正」「据え置き」「下方修正」の3つの方向で示しています。

 次いで「各論」が記述されています。ここでは、「個人消費」「設備投資」など14項目について、項目ごとの判断を示します。10月はほとんどの項目で変化がなかったものの、「生産」の判断が9月の「横ばいとなっている」から「弱含んでいる」へ引き下げられ、これが全体の景気判断引き下げにつながりました。

 ただ、この表現が“くせもの”なのです。9月と10月の基調判断の表現をもう一度見てみましょう。9月は「一部に鈍い動きもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」。これに対して、10月は「一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」。

 違いは、9月の「鈍い動き」と10月の「弱さ」だけ。たったこれだけの違いで、景気判断を引き下げたのです。その一方、「緩やかな回復基調が続いている」。つまり、景気は上向きとの認識は変えない表現になっています。一般の人にとって少しわかりにくい記述になっている面は否定できないようです。

東洋経済から絶好調企業を先取り

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