来年のノーベル医学・生理学賞で買われそうな銘柄は

ハヤっ!でも日本人には有力候補がワンサカ

寄生虫による熱帯病の治療薬開発に貢献した北里大の大村智・特別栄誉教授(撮影:尾形文繁)

 今年のノーベル賞旋風もようやく一巡。株式市場では受賞者ばかりでなく、文学賞を逃した世界的文豪の村上春樹氏も注目を集めた。受賞を逃したのを嫌気したのか、文教堂グループホールディングス (9978)丸善CHIホールディングス (3159)など書店ビジネスを手掛ける大手の株価が軒並み大幅に値下がりした。ノーベル賞の受賞で書籍需要の回帰を狙ったものの思惑が外れたということだろうか。

 村上氏は今回も文学賞受賞を逃したことを意に介さない様子だ。いずれは受賞できるだろう。しかし、自然科学の分野では受賞に至らず、悔しがっている日本の学者が多いはずだ。

 医学・生理学賞では発表前に有力な候補者が国内に数多く存在した。情報調査会社トムソン・ロイターが9月時点で挙げていた日本人の受賞候補者は、京都大学の森和俊教授と大阪大学免疫学フロンティア研究センターの坂口志文教授の2人だった。公益財団法人の理事長で京都大大学院医学研究科の本庶佑教授の受賞も有力、との指摘があった。

 しかし、受賞したのは北里大学の大村智・特別栄誉教授だった。今回の受賞は「学術的貢献」というよりもむしろ「社会的貢献」が評価されたとの見方が一般的である。実際、土中の菌から新たな薬剤を発見する手法は抗生物質などが謳歌していた時代に重宝されていたが、現在はかなり下火である。

 学術面からいえば、本命は大阪大の坂口教授だった。これは来年以降も変わらないだろう。同教授は免疫反応を抑える細胞の存在を確認し、自己免疫疾患などでの役割を解明。同疾患にはリウマチなどの難病も多く、医療の最先端分野に立つ。

 京都大の森教授は細胞内のたんぱく質の異常を検出し、修復する仕組みを解明。米国版ノーベル賞といわれる「ラスカー賞」を受賞済みだ。世界的に市場の拡大期待があり、がん治療の本命とも期待される免疫療法の権威である本庶教授も引き続き有力候補である。アジア版のノーベル賞ともいえる「唐奨」のバイオ医薬部門の第1回受賞者でもあるだけに下馬評は高かった。結果的には涙をのんだがやはり、次回受賞への期待が高まる。

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