「初値スゲェ!なIPO株」買いはおトクなのか?

ロゼッタは公開価格の5倍超に急騰

岡村 友哉
東証マザーズの「初値スゲェなIPO株」のその後はどうなった?(撮影:尾形文繁)

 先週19日に東証マザーズへ上場したロゼッタ (6182)あんしん保証 (7183)の初値はスゴい値段になった。上場初日は2銘柄とも値がつかず、あんしん保証は2日目に全株一致。公開価格1460円の3.9倍の5730円で初値がついた。

 ロゼッタに関しては、上場初日の引け時点の注文は売り21万株、買い221万株。実に売りの10倍強もの買いが入った状態で、2日目でも全株一致しなかった。公開価格695円に対して、20日引け時点の気配値は3680円。公開価格の実に5.3倍である。

 ロゼッタの公開価格に対する初値は、今年ここまで上場した75銘柄で最大の上昇率になる可能性がある。確かに、自動翻訳サービスを手掛ける(しかも成長期待の高い産業翻訳が専門)ビジネスモデルから成長に思いを馳せるのは理解できる。

 ただ、初値が高騰した理由はそこではない。単純に公開規模(=公開価格×公開株数)が小さかったからである。以前も本コラムで書いたように、初値の高低を決める最大の要因は公開規模の大小にある。短期的な需給妙味を狙って「とりあえず初値は買っとこう」なるトレーダーが存在するが、公開株数の少ない小粒案件ではその買い需要を満たせないのが原因である。

 あんしん保証の公開規模は3.5億円しかなかったため、初値が3.9倍にもなったのが本質。ロゼッタはさらに小さい公開規模2.8億円だったのでもっと上がった、が本質である。要は東証マザーズで今年の最小案件のロゼッタが、初値上昇率は最大になったという話である。

 これは、ロゼッタの上場前の段階で、今年のベストパフォーマーだった銘柄が何か?を振り返ってもよくわかる。その銘柄は、7月にマザーズへ上場したアイリッジ (3917)だ。公開価格に対する初値は5.3倍。こちらも公開規模は4.5億円にすぎなかった。12月上場銘柄も続々と承認されており、公開規模だけチェックすれば、「初値が高くなるのは鎌倉新書 (6184)ラクス (3923)だろう」などと簡単に目星をつけることができる。

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