日本生まれの次世代繊維、関連銘柄はコレだ

2016年の投資テーマとしても注目

古庄 英一
11月に試験飛行に成功したMRJ(三菱リージョナルジェット)にも次世代繊維が使われている(撮影:尾形文繁)

 今年の株式市場を振り返ると、「次世代繊維」が脚光を浴びた1年だった。一般に広く知られるのは、国産初のジェット旅客機「MRJ」の尾翼の軽量化に一役買った、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)だ。

 「自動車用途の展開も2017年ごろに本格的に広がる」(東レの日覺昭廣社長)という見方がある。そこで今回は、それ以外の技術を含め、次世代線維で注目の会社を次ページにまとめた。

 新技術として期待が高いのは、セルロースナノファイバー(CNF)だ。植物繊維を直径数十ナノメートル(10億分の1メートル)の束状に超微細加工し、鋼鉄の5分の1の軽さと5倍の強度を兼ね備える。林業廃棄物を再資源化できる点も強みだ。“夢の新素材”として、株式市場では、血管チューブなど再生医療、美容製品やフィルター・センサーなど、ハイテク機器向け用途にスポットライトが当たった。

夢から実用化の段階へ

 実用化も進んでいる。日本製紙(3863)は、CNFシートを挟み込んだ大人用紙おむつを10月に発売、2016年度に量産化を始める予定だ。今後は、ガラス繊維の代替として、自動車や電子部品として採用されることもありそうだ。

 一方、長年にわたって“夢の新素材”から脱皮できなかったカーボンナノチューブ(CNT)にも、飛躍の扉が開いた。CNTは、文化勲章受章者の飯島澄男博士が、NEC研究所に勤務していた1991年に発見した。直径が0.4~50ナノメートルの超微細な筒状炭素繊維で、切れにくく、電気や熱の伝導率が高い。飯島博士はノーベル賞候補として名前が挙がっている。

 これまでは安全性や大量生産の難しさがネックとされ、CFRPの添加剤や、リチウムイオン電池の導電助剤など用途先が限られてきた。しかし、産業技術総合研究所が大量生産法を開発。日本ゼオン徳山工場の量産ラインが今年11月に稼働を開始した。今後は蓄電装置やタイヤの最先端部材などに用途が広がりそうだ。

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