再生医療製品の本格始動で買われそうな銘柄は

“政策に売りなし”で人気化必至!?

細胞シート「ハートシート」の製造販売承認取得を発表するテルモの新宅祐太郎社長(撮影:尾形文繁)

 日本の再生医療にはいよいよ本格的な普及期入りの兆しが出てきた。「再生医療」とは傷害や疾病によって失われた組織や臓器を取り換えようという治療法だ。

 ヒトの組織や臓器は圧倒的に物量が不足している。特に、日本は脳死問題もあって先進国の中でも臓器などの提供を受けにくい環境があることは否めない。ヒト以外の動物などの臓器移植も古くから行われてきた。動物の組織や臓器を医薬品に応用することも幅広く研究されている。

 動物の組織や臓器を直接移植するケースで克服しなければならない課題は拒絶反応だ。ヒトでも他人の組織や臓器では免疫抗体反応で深刻な拒絶反応の残るケースも多い。

 再生医療は大きく2つに分かれる。1つは自分の組織を培養する方法だ。「自家」と呼ばれるもので、免疫抗体反応からは解放される。一方、患者の組織や臓器を培養する時間が必要になるため、緊急性を有する手術では大きなネックになる。患者の負担の大きさも難点だ。

 もう一つの方法は「他家」。これは前出のとおり、免疫抗体反応による拒絶反応の問題がある。

 再生医療の分野では、さまざまなブレークスルーとなる技術が数多く登場。具体的には、クローン技術、多能性幹細胞(ES細胞、iPS細胞)の活用、自己組織誘導などだ。遺伝子操作をしたブタなどの動物の体内でヒトの臓器を養殖する手法も考案されている。

 ES細胞の作成では受精卵を使用するといった倫理的な問題を伴う。こうしたことから、ノーベル賞を受賞した京都大学の再生医科学研究所の山中伸弥教授らによるiPS細胞が世界の注目を集めた。ただ、これらの最先端技術の越えるべきハードルは高く、医療現場ではより現実的な再生医療の試みが進む。

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