米国ゼロ金利解除で株、債券、ドルはどう動く?

FOMC後は個別物色が重要に

新見 未来
(写真:mizoula/PIXTA<ピクスタ>)

 米国時間で12月15~16日の2日間にわたって開かれるFOMC(米国連邦公開市場委員会)が、注目を集めている。景気や物価に関する判断や政策決定内容を記したFOMC声明文が発表されるのは、日本時間の12月17日早朝4時ごろ。FOMCの定期会合は年8回開かれ、そのうち3、6、9、12月の会合ではFOMCメンバーの経済・物価・金利見通しが発表される。会合後にジャネット・イエレンFRB議長の記者会見も行われるため、もともと関心度は高いが、今回は2008年12月以来7年間続いたゼロ金利解除が予想され、世界の市場へ大きな影響を及ぼすのではないかと不安視されているのだ。

 FOMCは米国の金融政策を決める会合であり、政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標や量的金融緩和の方針などを決める。米国の中央銀行組織は、ワシントンで金融政策・制度の決定や地区連銀の監督などを行うFRB(米国連邦準備制度理事会)と、現場の銀行業務を行う12の地区連銀から構成される。FOMCは、イエレンFRB議長を含むFRB理事7人と、12の地区連銀のうち5つの地区連銀総裁5人、合わせて12人で構成される米国金融政策の最高意思決定機関だ。

相場はイメージどおりに動かない

 政策金利であるFF金利の引き上げは、理屈のうえでは、①米国長期金利を押し上げ、②ドル相場を上昇させ、③株価を下落させるが、過去の利上げ転換局面の事例を見ると、この理屈どおりに相場は動いていない。

 過去4回の利上げ局面(1994年2月~、97年3月~、99年6月~、04年6月~)で、米国10年国債利回り、ドル相場(実質実効レート、円ドル相場)、日米株価がどのように動いたかをグラフ化したのが図1、図2、図3だ。横軸のゼロ(0)を利上げ直前月とし、利上げ半年前から1年後までの各相場の動き(平均)を見たものだ。4回のうち97年3月の利上げは1回のみだったが、それ以外の3回は連続利上げだった。

 まず、米国10年国債利回りは利上げの数カ月前から上昇を始め、利上げ当月まで上昇した後、頭打ちとなる傾向がわかる。特に04年6月からの前回利上げ局面では利上げ後、利回りは逆に低下し、当時のアラン・グリーンスパンFRB議長はこの現象を「謎」と評した。

 当時、長期金利が低下した原因は、①金融引き締めで期待インフレ率が低下し、それが長期金利を低下させた、②世界的な貯蓄余剰(=投資不足)下で、中国からの米国債投資が増えたことなどが米国長期金利を低下させた、などと考えられた。

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