四季報のこの銘柄を見れば世界景気はすぐわかる!

あれから19年、73冊を読破した男の深イイ話ー(69)

渡部 清二
『会社四季報』2016年1集(新春号)で完全読破は73冊目に。しかしいつものことながら過酷な作業だ

 分厚い2016年新春号を読み終わり、これで四季報読破は19年目、73冊となった。

 まずは最新号の全体観からだが、巻頭3ページにある「市場別決算業績集計表」によると、3196社合計の今期予想は売上高が2.0%増収、営業利益16.3%増益、純利益15.8%と、3カ月前の秋号からそれぞれ0.6%、0.1%、0.5%と伸び率は低下したものの、秋号とほぼ同水準であった。

 また業績トレンドを巻頭2ページの「【見出し】ランキング」で確認すると、1位:最高益、2位:独自増額、3位:続伸となっていて、企業業績は堅調であることがうかがえる。中間決算発表後、日本経済新聞が集計した業績予想は、四季報新春号に比べもう少し保守的な数字だったが、四季報記者は取材を通じて何かを感じ取ったのか、四季報予想は「独自増額」して今回の結果になったようだ。

 しかしながら、ここ3カ月の出来事を振り返ると、8月の世界的な株価急落から始まり、東芝の不適切会計や第一中央汽船の破綻、独フォルクスワーゲンの排ガス規制逃れなど企業の不祥事が相次ぎ、ロシア航空機の墜落やトルコの首都アンカラやフランスの首都パリでの大規模テロ、南シナ海人工島の問題やトルコによるロシア機撃墜など国際情勢も緊迫した状況で、必ずしもマクロ環境は良好ではなかった。

四季報版「李克強」指数

 では実際、足元の世界景気はどのような感じなのか。

 中国には李克強首相の名前を取って「李克強指数」なる指標がある。これは具体的に、1.鉄道貨物輸送量、2.電力消費量、3.銀行の融資残高、の三つの指標で、これさえ見ておけば中国経済の実態がわかるとされている。

 実は四季報にも同じようなものがある。私は四季報のあるセクターを見ることで、1.の鉄道貨物輸送量にあたる「世界の荷動き=世界景気」と、3.の銀行の融資残高にもつながる「金融機関の貸し出し状況」を確認している。

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