「自動運転時代の到来」で損保業界はこう変わる!?

技術進歩で変わるビジネスモデル

岩崎 日出俊
DeNAとZMPの合弁会社が実証実験をすすめているロボットタクシー(撮影:尾形文繁)

 アップルのスティーブ・ジョブズはその卓越したプレゼン能力で聴衆を魅了した。一方、グーグルのラリー・ペイジ(共同創業者兼CEO)や、テスラ・モーターズ、スペースXを創業したイーロン・マスクなどは、プレゼンがさほど上手くない。インタビューに応じることもあまりない。

 しかし米国の公共放送で20年以上もインタビュー番組を手掛け、オバマ、ブッシュ、クリントンといった歴代大統領に対しても独占インタビューを行ってきたチャーリー・ローズは別格だったのかもしれない。どちらもローズの誘いに応じて、彼の番組に出演している。

 ローズは出演者の「本音」を引き出すことが巧みであることで知られている。昨年のことだが、ローズと共にTED2014に登壇したラリー・ペイジは、自動運転に取り組む理由について、ローズに問われてこう答えた。

グーグルが自動運転に取り組む理由

 「18年前に自動運転車を開発している人々について知り夢中になりました。実際にプロジェクトを始めるまでにしばらくかかりましたが、今は世界をよく出来るかもしれない可能性にとても興奮しています。世界では毎年2千万人以上の人が交通事故に遭っています。また、34才未満のアメリカ人にとって今や交通事故が死因のトップとなっています」

 インタビューアーのローズが「つまり命を救いたいのですね」と語りかけると、ペイジは「ええ」と頷き、こう続けた。「それに空間を上手に利用し暮らしを豊かにするんです。ロサンゼルスの半分が駐車場や道路です。面積の半分がです」。そしてこう結んだ。「私達はもうすぐそこまで来ています。完全自動運転で、すでに16万キロメートル以上も走行しているんです。自動運転車をこんなに早く世に出せるのがうれしいです」。

 視聴者には、一見したところまだ学生気分が抜き切れていないようなラリー・ペイジが印象的だった。この若者が時価総額で世界2位の大企業を牽引する経営者なのか……。その彼が自らの口で語る「グーグル自動運転参入の理由」は非常に単純であり、純粋なものだった。「交通事故をなくしたい。空間を上手に利用したい」。

来年春には一部の都市で完全自動運転がスタートする

 自動運転の技術は大きく四つのレベルに分類される。米国では運輸省の国家道路交通安全局(NHTSA)が公表している。日本でも内閣府政策統括官(科学技術・イノベーション担当)がほぼ同様の分類を発表、「今後、国際的整合性の観点から必要に応じて見直す」としている。両者の定義は微妙に違うが、どちらの分類においても、自動ブレーキなどの安全運転支援システムは「レベル1」、ドライバーがまったく関与しない完全自動走行システムが「レベル4」と定義される。

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