「16年相場は年末高値、内需回復・円安傾向で好業績続く」

メリル阿部氏は来年末2万1600円予想

丸山 尚文
来16年も15年に続く株価上昇となるか(撮影:尾形文繁)
来年2016年の日本株の見通しを、メリルリンチ日本証券の阿部健児チーフ日本株ストラテジストに聞いた。

ーー来2016年の相場の動きをどうみるか。

 16年は年末高値となるだろう。TOPIXが1750ポイント、日経平均株価は2万1600円まで上昇するとみている。ただ、翌17年は消費増税が控えており、それ以降は、高値圏での横ばいを見込んでいる。

 年末高に向かう理由の一つは、内需の回復や円安傾向に支えられて、企業業績が過去最高を更新する見通しであること。内需は、人手不足感から賃金が0.7~1%程度上昇し、それにつれて消費が伸びるだろう。また、外需は、これまでほどはの追い風ではないものの、円安傾向が寄与する。対ドルの為替レートは、日米の金利差拡大から、3月ころに最安値128円、年末で120円を想定している。

 一方、企業業績が減益になるリスクとしては、足元の在庫の積み上がりで消費、投資が想定より伸びないこと、またドル以外の通貨に対して円高が進むことが考えられよう。原油価格は、これから底打ち上昇に転じると業績にマイナスに効いてくる。

ーー金融政策など、需給面ではどうか。

 利上げが決定された米国に対し、日本は追加緩和の方向にある。日本株にとっては相対的にプラスに効くだろう。1月には日銀の追加金融緩和が行われると予想しており、ETFの年間買い入れ額は、15年の3兆円から16年には6兆円に増額されるとみている。

 公的年金(GPIF)の投資余力は小さくなるだろう。15年も株価が高い水準では売り越している。すでに日本株の構成比率は予定のレベルになっており、日経平均で1万9500円以上では買ってこないだろう。下がったら買う程度とみている。

 新たな買い余力として注目しているのは、17年から制度が拡充される個人型確定拠出年金(DC)制度だ。現行の自営業者・企業年金のない会社員などに加え、専業主婦、公務員、企業年金のある会社員も制度の対象になる。税制メリットはNISAよりも大きく、年間1兆円以上の株式投資の増加も見込まれる。

 米国では、個人型確定拠出年金が株式投資の一般への普及に大きく貢献した。日本でも、個人投資家の層の拡大に寄与する可能性がある。個人投資家層の拡大で、経営者に対する圧力が高まり、企業価値の向上をもたらすことにもつながる。

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