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今週の米株は政府機関閉鎖で混乱も、経済成長に懸念

[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米議会の予算審議が難航する中、米株市場の投資家は政府機関の閉鎖という事態に備えている。

 米下院は29日、医療保険改革法(オバマケア)の1年延期を盛り込んだ2014会計年度(13年10月─14年9月)暫定予算案の再修正案を賛成多数で可決した。

 政府機関が閉鎖すれば、市場が混乱することが見込まれる。また閉鎖が長引けば、経済成長に重大な影響を及ぼすことも考えられる。

 予算審議で与野党の溝が埋まらなければ、多くの政府職員が一時帰休となる。また米労働省も、協議が物別れに終わり政府機関が10月1日から閉鎖された場合、4日に予定している9月雇用統計の公表を延期する方針を明らかにしている。

 アリアンツ・グローバル・インベスターズ(ニューヨーク)の投資戦略責任者、クリスティナ・フーパー氏は「問題の解決を市場は期待しているが、実現しないことがだんだん明らかになってきている」と指摘。ボラティリティの高まりに十分に備えておくべきだとしている。

 政府機関閉鎖の恐れが市場の重しになっており、S&P総合500種<.SPX>は先週4週間ぶりに下落したが、多くの投資家は政府機関が閉鎖される確率は低いとみていた。ここ数年で政府が直面してきた他の問題が、最終的には解決されてきているという経緯があるためだ。

 S&Pは今月3%上昇しており、過去最高値までわずか2%の水準にある。

 ただし2011年には、米財政問題をめぐってスタンダード&プアーズ(S&P)が米国の長期信用格付けを最上級の「AAA」から1段階引き下げ、株価が影響を受けた。

 サーハン・キャピタル(ニューヨーク)のアダム・サーハン最高経営責任者(CEO)は「政府機関の閉鎖はドミノの1つに過ぎない。倒れればその先は未知数で、状況を数字で表すことは不可能だ」と述べた。

 これまでの経緯をみれば、同じような事態の中でも米市場は急落を回避できてきた。政府機関が閉鎖された1995年12月15日─1996年1月6日、S&P総合500種は0.1%上昇した。

 センチメントレーダー・ドット・コムのジェーソン・ゲッパート社長のデータによると、政府機関が閉鎖された1995年11月13─19日には、S&P総合500種は1.3%上昇した。

 成長率が振るわない中、こうした前例を踏襲することにはならないかもしれない。米連邦準備理事会(FRB)もつい最近、量的緩和策の規模縮小を見送り、経済成長率が目標に達していないことを指摘していた。

 サーハン・キャピタルのサーハン氏は株価が過去最高値に近い水準にあり、今年は持続的な下落もほとんど見受けられないことから、下げの余地は大きい、と指摘している。

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