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年初来高値更新の日本株、過熱感乏しく「掉尾の一振」シナリオ優勢に

/public/image/2013112801034032-1.JPG 「過熱感なき高値更新」。日経平均株価は28日、前日よりも277円高い1万5727円で取引を終了し、5月22日につけた終値ベースでの年初来高値1万5627円をほぼ半年ぶりに上回った。29日には「(同月23日の取引時間中につけた)高値1万5942円を試す展開になりそう」(ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘・調査部長)との声も上がる。

 もっとも、相場全体がこれまでの上昇時にみられたような熱狂に包まれているとは言い難い。東証1部の売買代金は11月に入り、28日までの1日平均が約2兆1500億円にとどまる。これに対して、5月の1日当たりの同代金は3兆9200億円超。このため、市場関係者には「エネルギーが盛り上がりをみせないと、戻り待ちの売り物をこなすのは容易でない」との見方が少なくなかった。

 にもかかわらず、なぜ上値のフシをクリアしたのか。浮かび上がってくるのは「先物主導」という側面だ。日経平均を東証株価指数(TOPIX)で割った「NT倍率」が近年になかった高水準に達しているのはその証左だろう。外国為替市場での円安進行などを手掛かりにまず、日経平均先物に仕掛け的な買い物が先行。つれて先物と現物の価格差が拡大し、先物との裁定取引に伴う現物買いを誘発するという構図だ。

 「5月の相場はAさんもBさんもCさんも皆、儲かっていた。ところが、今は違う」。ベテランの証券マンはこう解説する。物色の広がりを示す騰落レシオ(25日移動平均)の推移を見ると、5月10日には152%へ到達。「買われすぎ」とされる120%を大きく上回った。一方、11月にも14、15日と警戒域に入ったものの120%台止まり。28日時点でも110%弱の水準にとどまる。これも相場のヒートアップを感じさせない一因。「買い方の回転が効き、循環物色が続いている」との見方もできそうだ。

 株価上昇のピッチが急だったため、目先はスピード警戒からの利益確定売りなどに上値を押さえられる可能性はある。だが、「日本株にとっては円安に振れたのが大きかった」(ちばぎんアセットの奥村氏)。円相場の1ドル=102円台への下落は、いったん後退しつつあった企業業績の上振れに対する期待を再燃させた。世界的な金融緩和継続や米独市場の高値更新など海外からも追い風が吹く。

 需給面では外国人投資家が相場を牽引。東証が28日に公表した投資部門別の売買動向では、11月第3週(18日~22日)にも6476億円余りの買い越しと4週連続で買い越しを記録したことが明らかになった。外国証券経由の取引開始前の注文動向(市場筋推定)によると、今週も25日から4日連続の買い越し。海外勢の買い意欲は旺盛のようだ。

 チャート上のいわゆる「三角保ち合い」からの上放れも強気ムードを後押し。市場では「掉尾の??\x80振」シナリオが優勢になりつつある。

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