市場経済ニュース

【今週の投資戦略】日経平均も、ドル/円相場も運命の分かれ道にさしかかる

 9月2日の日経平均株価は2営業日ぶりに反発、184円06銭高の1万3572円92銭で引けた。先週末8月30日の米国株は小幅安となったが、9月1日に発表された中国の8月PMI(製造業購買担当者景気指数)が、昨年4月以来の高水準になったことなどが好感された。

 ただテクニカルでは、26週移動平均線水準(1万3654円)の近くにまで反発したに過ぎない。26週線を早期に奪回できないままだと、同線が上値抵抗と意識されて見切り売りが誘発される。同線はまだ“上向き”を維持しており、本格的な中期下落トレンド入りはしていない。これが“横向き”に転じる前に同線を上回っておきたいところだ。

 今週は、シリア情勢はもとより、8月の米国雇用統計の発表(6日)、2020年夏季五輪の開催地決定(7日)など株式市場に大きな影響を与える重要イベントが多く控えている。シリアに対する攻撃は、今のところ米・仏が中心となって短期で終息する見通しである。ただ、シリアが反撃手段としてイスラエルを攻撃すれば、イスラエルも報復の軍事行動を起こし、それを見たイランがシリアに加勢するという最悪の泥沼シナリオも一部では想定されている。可能性は低いであろうが、リスクシナリオとして頭に入れておきたい。

 雇用統計については、雇用状況の顕著な改善が認められれば、9月17-18日開催のFOMCで米金融緩和の縮小が決定される可能性が高まる。金融緩和縮小となれば、一時的にはリスクオフの流れから円高方向に振れる可能性もあるが、中長期的には日米金利差拡大から円安が進むと考えられる。テクニカルではドル/円相場は三角保ち合いを形成中で、1ドル99円20銭付近を突破すれば円安の流れが加速して、100円台への復帰も視野に入る。逆に1ドル96円60銭付近を下回れば90円台前半まで円高が加速することもあるだろう。ドル/円相場については米金融政策だけではなく、シリア情勢の緊迫化に伴う「有事のドル買い」という要因もある。9月2日の夕方の時点では、1ドル99円台と円安が進んでおり、重要な局面を迎えている。

 2020年夏季五輪については、すでに大手ゼネコンや不動産企業の株価が上昇するなど、東京開催決定を先取りした動きが一部見られる。東京五輪の経済効果は3兆-10兆円とも試算されており、日本経済にとってプラスとなろう。ただ、東京に決まった場合でも、五輪効果を織り込んだ銘柄は材料出尽くしで下落する懸念もあるため、注意したい。残念ながら東京に決まらなかった場合は、それなりのショック安も覚悟せざるをえない。

 以上、述べてきたように予測のつかない重要イベントが目白押しの状況下での株式投資はばくち的要素が強い。割り切ってハイリターンを狙うのも一法だが、「休むも相場」の格言に従って、様子見した方が無難であろう。

(「株式ウイークリー」編集長 藤尾明彦??\x89

 

ページトップ