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ドル98円半ばで伸び悩み、海外短期筋は様子見

[東京 15日 ロイター] - 正午のドル/円はニューヨーク市場午後5時時点に比べて若干ドル安/円高の98円半ば。五・十日に当たるこの日は、実需のドル需要が期待されたが、実需の売りがむしろ目立ったという。

 米財政協議をめぐる不透明感を嫌気し、大方の海外短期筋は様子見姿勢を保っており、ドルは上昇の手掛かりを得られないまま午前の取引を終えた。

 ドルは、米財政協議をめぐり大きな前進があったとの報道を受けて米国市場で強含んだ流れを引き継いで、朝方は堅調だった。しかし、期待されていた実需の需要が予想外に弱かったことや、小規模の輸出な売りが流入したことで、いったん98.44円付近まで下落した。

 ただ、海外短期筋による円売りの動きは低迷しており、「96円台、97円台では(ファンド勢による)散発的なプットの買いが見られた程度。アベノミクス期待で一時活発化したオプション主導の円売りは後退。ボラティリティも低下している」(外銀)という。

 ドル/円相場は10月8日から反発基調を保っているが、ドルの反発は対円に集中し、ユーロや豪ドルなど他の主要通貨に対して、ドルはむしろ弱含んでいる。

 リスク選好の回復が、質への逃避を反映したドル需要を後退させているとの指摘も出ており、「米財政協議が決着すれば、いったん円買いになる可能性もある」(外為アナリスト)との見方も出ている。

 一方、麻生太郎財務相は15日、閣議後の会見で、米財政協議をめぐる混乱に関連して、米国が債務不履行になれば大変なことになると述べ、何らかの妥協が17日までになされると期待した。また、米国が債務不履行に陥れば、日本の経済成長に影響するとの見解を示した。

 米国のテクニカル・デフォルト(債務不履行)の可能性がささやかれるなか、米国債市場では、ほぼすべての年限で債券価格が下落し、米10年国債利回りは2.7165/2.7147%と、14日終盤の2.682%から上昇した。

 前週ワシントンで開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は11日、米国はデフォルト回避に向け早急に行動を起こす必要があるとする異例の提言などを盛り込んだ声明を採択した。

 声明は、米国は「短期的な財政上の不透明性に対処するために早急に行動を起こす必要がある」と提言。G20はまた、各国中銀が金融政策を正常化させる際は慎重に行うことを確約した。

 米国債の最大の保有国である中国も懸念を表明。中国人民銀行(中央銀行)の易綱・副総裁は、「この問題を早急に解決する英知を持つべきだ」と述べた。

 中国に次いで第2位の米国債保有国である日本の黒田東彦日銀総裁も、米国は世界経済をけん引しているとして、同問題を早期に解決する必要があるとの認識を示した。

(森佳子)

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