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【来週の投資戦略】QE3発動で世界はリスクオンだが、日本株は円高が懸念材料

 ECB(欧州中央銀行)による南欧国債の無制限買い入れに続き、ESM(欧州安定メカニズム)の稼働にメドがついたところで、米国ではFRB(連邦準備制度理事会)がQE3(量的金融緩和第3弾)を実施。市場関係者からは「バレンタイン相場に似てきた」との声も聞かれる。

 今回の追加緩和では、住宅ローン担保証券(MBS)の追加購入や、事実上のゼロ金利据え置き期間を「少なくとも2015年半ば」まで延長することなどが柱で、「ほぼ満額の回答」を米国株式市場は好感。NYダウは終値1万3539.86ドルと206ドル高の大幅上昇で年初来高値を更新した。金価格も1トロイオンス=1772ドルと年初来高値に接近するなど、投機マネーの動きが活発化している。

 こうした流れを受けた14日の日経平均株価は一時上げ幅が200円近くまで拡大。終値は9159円39銭(前週末終値比287円74銭高)となった。株価指数先物・オプション9月物の特別清算指数(SQ)算出日であったこともあり、東証1部の出来高、売買代金は3月中旬以来、半年ぶりの大商いとなった。

 会員制の投資情報誌「株式ウイークリー」9月17日配信号では、9月第3週の日経平均株価は8月の戻り高値9222円を突破すれば、9500円水準までの上昇を試す展開もあると見ている。ただし、QE3の影響もあり、為替相場は1ドル=77円半ばでの円高推移が続いている。18-19日の日銀金融政策決定会合で具体的な動きがなければ、一段の円高進行の懸念から日経平均の戻りが抑えられる可能性はあると意識しておきたい。今号の注目6銘柄では、20日から開催される東京ゲームショウ、さらに21日のアップルの新型スマートフォン「iPhone5」発売に注目。ソーシャルゲーム関連やアップル関連、スマートフォン関連の好業績銘柄を中心に取り上げている。

 来週は19日に日本航空が東証再上場、米国では8月の住宅関連指標の発表、20日には日本の8月粗鋼生産、米国の8月景気先行指数、そして中国の9月HSBC製造業PMI速報値の発表なども予定されている。QE3実施で世界のマーケットではリスクオンのムードが高まっているが、日本株は為替相場をにらみながらの展開が続きそうだ。

(「株式ウイークリー」編集長 本多正典)

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