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【株式・前引け】米国発信用不安再燃と利益確定売り受け2日ぶり反落

 5日の東京株式市場の前場は2日ぶり反落。日経平均株価は前日終値比99円78銭安の1万4335円79銭で引けた。米国発の信用不安再燃に加えて、短期的な株価上昇を受けた利益確定売りの動きから安値圏での値動きに終始。TOPIXも、同7.18ポイント安の1423.29と2日ぶりに反落した。東証1部の出来高は概算で11億9782万株、売買代金は1兆1655億円と、売買エネルギーは盛り上がりに欠けた。  前日の米国株市場は、NYダウ工業株30種平均が4営業日続落の一方、ハイテク比率の高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発するなどマチマチ。米国の格付け大手、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、「モノライン」と呼ばれる金融保証会社のMBIA、アムバックなどを格下げ方向で見直す、と発表。米リーマン信用不安が高まった一方で、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した5月の非製造業景況感指数が市場予想を上回ったのに加え、5月下旬に1バレル=135ドル台まで値上がりしたWTI原油先物価格が、同122ドル近辺まで下落したことが、方向感の定まらない背景にある。  こうした流れを受けて、東京市場は日経平均が前場高値となった同42円98銭安の1万4392円59銭で寄りついた。その後、先物に大口の売り注文が相次いだのに押されて、日経平均は10時9分には同173円55銭安の1万4262円02銭まで突っ込んだ。一方、寄り付き前の外国証券経由(13社ベース)の売買動向は、売り2620万株に対し買い3830万株と、2日連続の買い越し。「金額ベースでも大幅買い越しだったもよう」(国内証券)だったのに加えて、円ドル相場は1ドル=105円台前半で底堅く推移。売りの動きはそれほど強まらず、逆に前引けにかけては下げ幅を縮小して取引を終えた。  東証33業種別の動向では、18業種が下落。騰落率でみた値下がり率トップは石油、2位は卸売業(商社)。いずれも原油価格の下落が売り材料になったとみられる。不動産、鉱業などの下落も目立った。一方、値上がりは14業種。上昇率トップは海運で、原油価格の下落を受けて買われたようだ。水産、鉄鋼、小売業なども上昇。繊維は変わらず。  個別銘柄では、米アップルの携帯電話「iphone」を08年中に発売すると伝えられたソフトバンクが上昇したほか、塩化ビニール樹脂の値上げが伝えられた信越化学工業も高い。一方、FDKやNECトーキン、井関農機など、このところ株価上昇が続いていた銘柄に利益確定売りの動きも目立った。  ムーディーズがモノラインを格下げ方向で見直すとの発表を受けて、米国サブプライムローン(信用力が低い個人向け住宅融資)問題への懸念が再び台頭するのでは、との見方がある。一方、市場関係者の間では、「サブプライム問題は峠を越した」とする強気派の声も少なくない。6月中旬に発表される米国投資銀行の3~5月期決算を控えた様子見ムードの中、株価は上下方向のどちらにも大きく触れる段階ではなさそうだ。

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