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【株式・大引け】上海除くアジア株堅調で安心感、3営業日ぶりに反発

 11日の東京株式市場は3営業日ぶりに反発。日経平均株価は前日比162円31銭高の1万4183円48銭で引けた。前場は円安ドル高、原油安という好環境にもかかわらず、軟調な上海株の値動きを嫌気した売りに押され、一時は前日終値を下回る展開だったが、後場に入って上海以外のアジア株が堅調に推移したことで安心感が広がり、再び上げに転じた。前場は3営業日続落したTOPIXも同6.83ポイント高の1390.03と3営業日ぶりに反発。東証1部の出来高は概算で21億6443万株、売買代金は同2兆3313億円と売買エネルギーは盛り上がりに欠けた。  昼のバスケット取引は533億5400万株の成立で「やや買い決め優勢」(国内証券)、アジア株式市場は香港、インド、韓国などで値を上げたことが好感されて入った大口買い注文が、日経平均株価を押し上げた。日経平均は大引け直前の14時55分には前日比173円31銭高の1万4194円48銭まで値を上げ、高値圏で取引を終えた。  業種別では東証33業種中、17業種が値上がり。騰落率でみた値上がり率トップはガラス・土石製品。輸送用機器、ゴム製品、精密機器なども上昇率が高かった。一方、下落したのは15業種で、値下がり率トップは鉱業。その他金融、海運、不動産などの下落も目立った。食料品は変わらず。  個別銘柄では、証券会社が投資判断を引き上げたファミリーマートや日本写真印刷などが値上がり。 日本水泳連盟が北京五輪競泳代表選手へ英スピード社の競泳水着の着用解禁を決めたことで、スピード社の国内代理店のゴールドウイン、スピード社製靴下を取り扱うアツギは前場に続いて買いを集めた。一方、値下がりで目立ったのはNTT都市開発、サンフロンティア不動産といった不動産関連銘柄のほか、プロミス、アコム、武富士、アイフルなどの消費者金融株も軒並み売られた。  マーケット関係者の間では、従来続いてきた「ドル高(円安)イコール株高の構図が崩れつつある」との見方が広がっている。円安は輸出企業にとって増益要因だが、それ以上に原油・原材料高が進行していることで、プラス効果を打ち消すとの思惑が働いているからだ。  5月のドル円相場は1ドル102~105円のボックス相場だったが、6月第2週に入って2月末以来の同106円台に突入。今週10日には、2月下旬以来の107円台に入り、足元も107円台半ばで推移している。ところが、輸出関連銘柄のウエートが大きい日経平均は、ドル円相場が円安に振れたほど株価が上昇していない。「ドル円相場でいえば、多くの企業は09年3月期の前提を1ドル100円と置いている。105円台から円安に動いても1~2円くらいの値動きでは反応は薄い。ただ、110円台に入れば上方修正期待も出てくる」と野村証券の藤田貴一ストラテジストは読む。  カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは、バーナンキFRB議長やポールソン米財務長官、ブッシュ米大統領がそろってドル安牽制発言を始めたのを注視。「ドル高誘引すると、アジア通貨が売られる可能性がある。中国は別として、ただでさえドル売りで自国通貨高を守っている国の経済は厳しくなるかもしれない」として、ドル高が株式市場にとって、決してプラスではない面を指摘している。

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