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【株式・大引け】日経平均298円安、景気2番底懸念も再燃、リスク資産一斉売りで世界同時株安

 週末5日の東京株式市場は海外株価の急落や世界的な景気2番底懸念、リスク資産一斉売りの流れを受けて大幅続落、日経平均株価の終値は前日比298円89銭安の1万0057円09銭となった。TOPIXは同19.31ポイント安の891.78。東証1部の出来高は概算で22億9340万株、売買代金は1兆7507億円だった。  東京市場は、前場の日経平均が同293円安で引けたが、一時1ドル88円台まで進行した円高が89円台後半まで収まったことや、後場寄り付き前のバスケット注文がやや買い決め優勢だったことで、後場はやや戻し気味にスタートした。午後1時前には同237円安まで反発。ただ、その後はアジア株が軒並み安という状況もあって再び売り物に押され、底ばいの展開となった。この日のザラバ安値は1万0036円33銭で、かろうじて1万円の大台は保った。  東証1部の値上がり131銘柄に対し、値下がりは1506銘柄とほぼ全面安。東証33業種のすべてが下落、特に不動産、証券、海運、卸売り、非鉄、保険、鉄鋼、機械といった景気敏感セクターの下げがきつかった。  株価大幅安の最大要因は、前日の欧米株急落。欧州ではEU周辺国の財政・経済問題への懸念が高まり、各国とも株価指数が軒並み2%以上の下げを記録した。スペイン、ポルトガルの国債入札が低調に終わり、国債利回りが上昇するなど、両国の財政状態への懸念が増大。スペイン最大手銀行のサンタンデールの格下げや不良債権比率増大も嫌気された。もともとギリシャの財政危機がユーロ圏のネックとされていたが、スペイン、ポルトガルなどへと「ソブリンリスク」が波及。ユーロ圏が全体として財政緊縮に大きく舵を切る可能性が高まったことで、ユーロ圏の景気不安、ユーロ安へとつながっている。ユーロ円は1ユーロ122円台まで下落した。  また、米国株市場は、5日の雇用統計の発表を控え、4日に発表された新規失業保険申請件数が予想に反して増加したことで、雇用改善期待が後退したことも響いた。前日のNYダウ平均は同268ドル安で、一時1万ドルの大台を3カ月ぶりに割り込んだ。ナスダックも3%の急落。米国の企業業績は予想以上に好調なものの、マクロ景気の先行き不安がミクロの期待感を封じ込めている。FRBの資産購入プログラムの期限切れや、4月末に期限を迎える住宅減税の打ち切り、さらにはオバマ金融規制(ボルカールール)も先行き不透明感を強めている。  そうした中で、株式を含めたリスク資産から資金が逃避している。原油や金など商品市況は軒並み下落、半導体指数も大幅低下した。  本日の東京市場では主力株が総じて売られた。ホンダ、日産自動車が下落し、パナソニック、コマツが大幅安。三菱商事、ファーストリテイリングも安い。三井住友FG、野村HDも値を消した。投資判断を引き下げられた日本写真印刷や酉島製作所が急落。TBSなどメディア関連も冴えない。  一方、トヨタ自動車は業績上方修正で上昇したが、前日まで25%下落した割には戻りの鈍さが目立った。プリウスのリコール問題の先行きが不安視されている。デンソーなどトヨタ関連も総じて上値が重い。その他では日立、ソニー、NTTがしっかり。日産系部品メーカーの富士機工は連日のストップ高、投資判断引き上げのヤマダ電気も高い。  国内では企業業績は回復傾向にあるものの、外需頼みに変わりはなく、株式市場も為替や海外市場の動向に振り回される展開が続いている。目先は、週末のG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)や米国雇用統計が注目されるが、その結果次第では日経平均が1万円を割り込む可能性が高い。中期的にも、中国の金融引き締めを含めて世界的な不安要因が目白押しであり、波乱含みの展開が予想される。

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