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【株式・前引け】欧州発の財政リスクが頭をもたげ日経平均は一時1万円割れ

 8日の東京株式市場の前場は、小幅ながら3営業日続落。日経平均株価は前週末終値比49円11銭安の1万0007円98銭で引けた。ギリシャの財政危機を発端にした欧州発の財政リスクが意識され、軟調な展開となった。日経平均は一時1万円を割り込んだ。TOPIXも同4.03ポイント安の887.75。東証1部の出来高は概算で9億4103万株、売買代金は5766億円と、商いのボリュームは低水準だった。  前週末の米国株式市場は、主要3指標が小幅ながらそろって上昇していた。欧州の財政問題を意識したリスク回避の動きから売りが先行したが、日本時間5日夜に米国で発表となった1月分の雇用統計で失業率が改善したことを材料に買い戻された。一方で、欧州株は続落。ギリシャの財政危機がスペインやポルトガルに波及するなど、欧州発の財政リスクが不安視された。  先週末にはG7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)が開かれたものの、「とくに対応策が打ち出されなかったのが気がかり」(市場関係者)。本日朝方の外国証券の売買動向は、買い1180万株に対し、売り1670万株と差し引き490万株の売り越し。2営業日連続の売り越しとなった。こうした流れを受けて、本日の東京市場は日経平均が前週末終値比49円安で寄りつき、直後の9時3分には同104円安9952円まで下げ幅を拡大して、1万円を割り込んだ。  一方、「1万円を割り込んだところで、値頃感から先物主導で買い戻しの動きが入った」(国内証券)。その後、日経平均は下げ幅を縮小。10時3分には同6円高と一時プラス圏で推移する場面もみられたが、維持できず1万円スレスレで引けた。  業種別の動向では、東証33業種中23業種が値下がり。騰落率で見たワーストはゴム製品(前週末終値比2.42%下落)、精密機器(同1.98%下落)、石油(同1.87%)なども下落幅が大きかった。一方、上昇は10業種。トップは金属製品(前日比0.77%上昇)。不動産(同0.69%上昇)、水産(同0.46%上昇)などが続いた。東証1部を銘柄別に見ると、値上がりは581銘柄、値下がりは932銘柄、変わらずは164銘柄だった。  個別銘柄で下落が目立ったのはヤマハ発動機。2月5日に09年12月期業績予想を大幅に下方修正したのが売り材料となったようだ。品質問題で揺れるトヨタ自動車系のデンソーも軟調。円高を懸念してパナソニック、キヤノンといった銘柄も売られた。  一方、上昇が大きかったのはケーヒンや富士機工といった業績回復が著しい銘柄。それぞれ先週2010年3月期業績予想を大幅に上方修正したのが好感されているもよう。パイオニアも三菱系企業やホンダなどの出資観測を材料に小高い。  トヨタ自動車は前週末比15円高の3330円。先週5日に一連の品質問題が発覚してから初めて、公の場に豊田章男社長が姿を現した。記者会見で対応策などを説明したものの、一連の問題が今後の業績に与える影響が不安視されており、反発は小幅にとどまっている。  日経平均がザラ場で1万円を割り込んだのは、昨年12月11日以来、約2カ月ぶり。日本企業の業績はむしろ堅調だが、米国の金融規制問題や欧州の財政リスクなどの先行きが不透明なことから、株価は調整色を強めている。

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