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【株式・前引け】欧州金融不安や円高を警戒し全面安、日経平均は9500円台まで下落

 25日の東京株式市場前場は、5営業日続落。日経平均株価は前日終値比231円73銭安の9526円67銭(下落率2.37%)と、3営業日連続の年初来安値で引けた。取引時間中に9500円台まで下げるのは昨年12月2日以来。欧州の金融不安問題を背景に世界経済の減速懸念が高まったほか、円高の進行によって日本企業の業績に不透明感が強まり、ほぼ全面安の展開となった。日経平均の5営業日続落は、09年11月17日~同24日以来およそ6カ月ぶり。TOPIXも同15.69ポイント安の864.32と2日ぶりに反落。東証1部の出来高は概算で9億1824万株、売買代金は5967億円だった。  前日の米国株式市場は、主要3指標がそろって下落した。スペインの中央銀行が先週末、経営危機に陥っている地方銀行のカハスールを管理下に置いたことを受け、週明けの欧州金融市場で銀行間のドル資金調達コストが上昇。「スペイン中銀は『銀行システムへの影響は軽妙』との声明を発表したが、かえって不安感をあおってしまった」(大手証券)。欧州の金融システムへの不安感が再燃したことから、米国株市場でも大手金融株が大幅下落。相場を引き下げた。  加えて、外国為替市場ではドルやユーロに対する円高傾向に歯止めがかかっていない。本日の東京株式市場は、輸出産業への依存が強い日本株にとって悪い地合いで取引が始まった。朝方の外資系証券経由の注文動向は売りが1590万株、買いが1860万株(差し引き270万株の買い越し)と2日連続で買い越しとなったものの、日経平均は前日終値比126円安で寄り付いた。  その直後の9時2分には115円安まで下げ幅を縮める場面もあったが、その後は先物にまとまった売りが断続的に出たことなどから、ジリジリと下げ幅を広げる展開。前場は安値引けとなった。  業種別の動向では、東証33業種のうち32業種が値下がり。騰落率で見たワーストは繊維(前日終値比4.45%下落)。前日に公募増資を発表した東レの下落に引きずられたようだ。ユーロ安を警戒して精密(同3.27%下落)も大きく下げたほか、その他金融(同3.18%下落)、海運(同3.17%下落)なども下落が目立っている。上昇業種はゼロ。空運が唯一前日と変わらず。  東証1部を銘柄別に見ると、値上がりは249銘柄、値下がりは1332銘柄、変わらずは87銘柄。全体の79.8%が下落する中でとくに下げが大きいのが前述した東レ。24日に28年ぶりの公募増資などで最大1094億円を調達すると発表。既存株主利益の希薄化(ダイリューション)が懸念され売りを呼んでいる。ユーロ安を背景に欧州への輸出比率が高いソニーやキヤノン、オリンパスなども軟調に推移している。  一方、上昇が目立つレナウン。24日に発表した中国の繊維大手を引受先とする第三者割当増資を実施して、同社に傘下入りするとのニュースが材料視されているようだ。テクニカル指標で見た買いゾーンにあった大日本住友製薬や塩野義製薬なども高い。  東京市場に遅れて始まった中国や韓国、台湾などのアジア株市場も総じて軟調に推移している。日本株は、あらゆるテクニカル指標で見て割安水準にあるものの、本日後場の東京株式市場で相場が好転する材料は今のところ見当たらない。市場関係者が下値のフシとみる9500円で下落の抵抗が示されるかどうかがポイント。「9500円台を割り込むと9200円まで一気に下げる可能性もある」(市場関係者)との声が聞かれた。

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