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【株式・大引け】「閑散相場に売りなし」で日経平均はわずかながら4日連騰

 週明けかつ5月最終日となる31日の東京株式市場は、前場の小幅安を後場になって切り返し、わずかながら4営業日連騰となった。日経平均株価は、前週末比5円72銭高の9768円70銭、TOPIXも同1.94ポイント高の880.46で、小幅3営業日続伸。東証1部の出来高は、概算で17億5754万株、同売買代金は1兆2559億円で、5月月間ではじめて出来高が20億株を割れる薄商いだった。  東京市場の前場は、前週末の米国株反落や寄り付き前の外国証券の売り越しなどを受けて小安いもみ合いに終始。だが、前引け後に(1)ドル円の為替がさらに円安傾向を強め、ユーロも対円で下げ渋ったこと、(2)アジアの主要株式市場が総じて堅調に推移したこと、(3)339億5500万円が成立した昼のバスケット取引が買い決め優勢と伝えられたこと、(4)日経平均先物の成り行き注文がわずかに買い越したこと、などを背景に、後場は前週末比11円高でスタートを切った。  後場上昇に転じた日経平均は、「閑散に売りなし」の”相場格言”通りに、売り物がない中で個人投資家を中心とした小口の買いに反応、ジリジリ値を上げて一時は先週のザラ場高値9824円85銭を上回り、13時57分には本日高値の前週末比68円高を付けた。その後は徐々に利益確定売りが出て上値を押さえる展開となり、大引け直前には利益確定売りが集中して一気に値を消した。  東証1部の値上がり銘柄数は1244、値下がりは335、変わらずは95銘柄。特に低位小型株が買われ、規模別では小型株価指数が19.94ポイント上げたのに対し、大型株価指数は1.22ポイントのマイナスだった。低位小型株物色の流れを映して、東証2部指数は15.38ポイント、新興市場でもマザーズが11.21ポイント、ヘラクレスが13.17ポイント、ジャスダックが8.27ポイント上げた。  業種別では、東証33業種のうち32業種までが一時上昇したが、引けにかけて下落が増え、最終的には上昇は23業種にとどまった。上昇率上位は繊維、紙パルプ、石油、水産、医薬、鉄鋼、陸運など。下落率上位は銀行、卸売り、その他金融、輸送用機械、情報通信など。  個別銘柄では、中国資本による買収が好感されているレナウン、同系列のルックがストップ高。サノフィ・アベンティスの日医工買収が確定したことで、同様の動きが後発薬品他社にも広がるのではとの思惑から、沢井薬品、東和薬品、日本ケミファが軒並み年初来高値を付けたつけた。巴工業、内田洋行といった業績好調組も値を上げた。  逆に目立って下げたのは、大型株では連騰後の利益確定売りと見られるファーストリテイリング、東京エレクトロン、ソフトバンクなど。KDDIは外資系証券の投資家付け引き下げが売り材料とされた。第四銀行、静岡銀行、八十二銀行など地方銀行14行も年初来安値をつけた。  明日から株式市場は、名実ともに6月相場入りとなる。過去10年の「陽線確率」をみると、6月と12月は陽線が7回、陰線が3回で、月の終わりの株価が上昇して終わる”確率”が最も高い月のひとつとされる。数々のテクニカル指標も買いゾーン圏内にあるうえ、「引き続き欧州不安はあるが、世界の景気は緩やかな回復過程にあり、6月の市場はそれなりに明るいだろう」(大手証券)というムードが市場には漂っている。  国内発の不安材料として政治的混乱が挙げられるが、社会党の政権離脱や政権支持率の低下はマーケットにさほどの影響を与えておらず、「7月の参院選で民主党が負けることも市場は織り込み済みでは」(大手証券)という声も聞かれる。  その一方で、このところ外国証券の売り越しの背景にあり、日本株の重しとなっているのは、北朝鮮を巡る緊張だとの指摘もある。特に欧米系のマネーは、国際的な政治・軍事動向にきわめて敏感。このところ市場では割安感の台頭から個人投資家による小型株の買いが目立っているが、外国人の買いのエネルギーが戻って一気に上昇相場へと転じるには、そうした地政学リスクの払拭が必要だろう。6月の相場を需給関係で見た場合、そのあたりもポイントになりそうだ。  今週末は米国で5月の雇用統計が発表される。市場が予測する非農業部門の雇用者数は、前月実績の29万人に対して倍近い50万人。果たして、公表数字に対する市場の反応は安堵か、落胆か。さらに、週末は4、5日の日程で韓国・釜山でG20財相・中央銀行総裁会議がある。ここで、欧州ショックノ対して世界の経済・金融当局者が打ち出す声明、方針によっても、今後の市場は影響を受けよう。

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