市場経済ニュース

【株式・前引け】日経平均は1年3カ月ぶりに一時9000円割れ、「菅・白川」会談不発で失望売りかさむ

 24日の東京株式市場前場は3営業日続落。日経平均株価は前日終値比107円86銭安の9008円83銭(下落率1.18%)で引け、昨日に続いて2日連続で年初来安値を更新した。  世界経済の減速懸念から前日の米国株が下落。主要通貨に対する円高も進んでいるなか、23日に行われた菅直人首相と日銀の白川方明総裁の電話会談で、円高や経済対策についての具体策が示されなかったことに対する失望感が広がっている。国内景気や企業業績への悪影響が懸念され、景気に敏感な銘柄を中心に売りが加速した。日経平均はザラバでは昨年5月18日以来、およそ1年3カ月ぶりに9000円の大台を割り込んだ。  TOPIXの前引けも同7.54ポイント安の817.25と3日続落。こちらも昨日に続いて2日連続で年初来安値を更新した。東証1部の出来高は、概算で6億4942万株、売買代金は4214億円と超薄商いの状態にある。  前日の米国株式市場は、主要3指標が下落。NYダウ工業30種平均はヒューレット・パッカード(HP)やHSBCによるM&A(企業の合併・買収)関連のニュースに反応して一時高値圏で推移する場面があったものの、このところの経済指標が芳しくないことから景気の先行きに対する警戒感は強く、引けにかけて売り込まれ、安値圏で取引を終えた。  米CME(シカゴマーカンタイル取引所)の日経平均225先物の終値も、昨日の大証終値に対し120円安の9045円と軟調だった。加えて東京市場寄り付き前の外資系証券経由の注文動向も、買い900万株に対し売り1210万株と、差し引き310万株、4営業日連続の売り越しとなった。  また、朝方のドル円相場は1ドル=85円台前半、ユーロ円は1ユーロ=107円台前半まで円高が進んだ。菅首相と白川日銀総裁の電話会談で具体策が出なかったことは「マーケットからは『円高容認』とも受け止められており、円高の進行に拍車をかけている。マーケットの『警笛』が『警告に』に変わりつつある」(大手証券)といった声も聞かれた。  これらの悪材料がそろった中で、日経平均は前日終値比92円安の9024円で寄り付いた。直後には先物のまとまった大口の売りに引きずられて一気に9000円を割り込み、9時12分に同133円安の8983円の安値を付けた。その後は割安感からの買い戻しや押し目買い、年金とみられる資金の買い支えなどもみられて再び9000円台を回復、9時43分に同73円安の9042円まで戻した。ただ、円高の進行は止まらず、ドル円相場は10時58分に一時1ドル84円台へ一時突入。これに連動する格好で日経平均も値を崩し、9000円割れ直前で前場の取引を終えた。  業種別では、東証33業種のうち30業種が下落。世界経済の減速懸念から景気動向に敏感な資源関連の鉱業(前日比2.40%下落)が騰落率ワースト。非鉄金属(同1.84%下落)、海運(同1.82%下落)、その他金融(同1.80%下落)などが続いた。上昇は3業種のみ。為替動向に左右されにくく配当利回りの高い医薬品(同0.52%上昇)がトップ。水産(同0.04%上昇)と電力・ガス(同0.03%)もかろうじて上げている。  東証1部を銘柄別に見ると、値上がりは278銘柄(全体の16.7%)、値下がりは1220銘柄(同73.4%)、変わらずは163銘柄。個別では、ユーロ安の進行に引きずられて任天堂やソニー、キヤノンといった欧州圏に強い輸出関連銘柄が軟調に推移しているほか、景気動向に敏感な京セラや東京エレクトロン、TDKといったハイテク関連銘柄も安い。  一方で買われているのはエーザイやアステラス製薬、第一三共、鳥居薬品など医薬品関連。PBR(株価純資産倍率)が解散価値の1倍を大きく割り込み、配当利回りが高い点も薬品関連が注目されている要因のようだ。10年8月期の連結営業利益が上方修正される見込み、と一部で報じられたサイゼリアも買われている。  昨日時点で東証1部の予想利回りは2.07%と、足元で1%を割り込んでいる10年物国債との利回り差は広がっている。市場関係者からは、「9月中間決算月を控えて、短期間で高利回り銘柄の恩恵を受けられるため、今は買うチャンスともいえる。機関投資家の買いが入ってくる期待もある」(国内証券)といった声も出ていた。

ページトップ