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【株式・大引け】政策期待で後場は相場が一転、日経平均は小幅続伸、一時9000円台も回復

 27日の東京株式市場は2日続伸。前場は日経平均株価が年初来安値を更新したが、後場になると一時は100円を超える上昇に転じた。日経平均の終値は前日比84円58銭高い8991円06銭、TOPIXは同7.83ポイント高い819.62だった。東証1部の出来高は概算で16億9862万株、売買代金は1兆1826億円と、低水準ながら後場になって商いが増え、昨日の出来高を上回った。  前場は前日の米国市場のNYダウ1万ドル割れを受け、日経平均は前日比100円近く下げて寄り付いた。一時は下げ渋ったものの、為替が1ドル84円前半で推移していたこともあり、前引けは同77円安だった。  昼のバスケット取引は244億円が成立、売り買い均衡と伝えられた。一方で、日経平均先物の成り行き注文が大幅な買い越しとなり、先物主導で現物も後場寄りから前引けより高い水準でスタート。午後になって為替が1ドル84円台後半に動いていたうえ、菅直人首相が夕方にも為替対策を発表する、との報道が伝わり、輸出関連株中心に一斉に買いが広がった。14時台には一時9000円台を回復、大引けにかけて売り買いが激しく交錯して9000円を挟む攻防となったが、大台を維持できずに取引を終えた。本日の高値は14時51分の9021円75銭。  東証1部の銘柄では値上がり数が1256(75%)、値下がり数が292(17%)、変わらずが120と、値上がりの比率が3割だった前場の状況から一変した。業種別でも、東証33業種のうち前場は上昇が4業種だけだったが、後場は31業種とほとんどが上げに転じ、下落は保険1業種のみ、空運は変わらず。上昇率上位はゴム、繊維、石油、精密機器、証券、機械、電気機器など。保険の下落は日韓の保険ビジネスを比較した野村証券のレポートがきっかけとみられる。  個別では、後場に輸出関連株が「まるでメダカの学校」(大手証券)のように一斉に方向を変え、東京エレクトロン、ファナック、TDK、ソニー、ホンダなど、売られすぎた国際優良株が軒並み反転。前場に安値を付けたトヨタも13円高に転じ、トヨタグループ各社、トヨタ関連投信に至るまで、ほとんどが上昇した。東証1部の年初来高値はダイハツ、エイベックス、科研製薬、サンリオ、相鉄ホールディングス、西日本鉄道の6銘柄。一方で、151銘柄が年初来安値を付けた。  8月の投資家別売買動向を振り返ると、第1週は大きく買い越した外国人が2週目から売りに転じ、逆に2週目から信託が大きく買いに転じている。市場ではこれを年金資金による買い支えと見ている。8月に入って一貫して買い越しているのは事業法人で、これは株価下落を好機として少なからぬ企業が自己株消却に動いているためだ。  一方、個人は8月第1週が売り越し、2週が買い越し、3週が売り越し。特に3週に入ってからは売買が急速に細っている。株価下落で追証が入り始めたともいわれ、個人には処分売りの動きも見られる。このところ、個人投資家の市場参加はぐっと減っている。  市場はほとんどの悪材料を織り込みながら、日経平均は純資産倍率1倍割れ直前の水準まで下げてきた。下げるところまで下げ、為替や株価に対する政府、金融当局の介入・対策を待ち望んでいる状況だ。はたして市場の期待に応える対策が打ち出されるのか。また、本日夜には米国では4~6月期GDP修正値が発表され、バーナンキFRB議長が講演で追加緩和に言及するのではないか、との観測もある。市場はそれらを注視している。  来週は「為替がいったん落ち着き、株価はもみ合いながら底固めの動きになるのでは」(大手証券)との見方も出ていた。

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