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【株式・大引け】世界的な金融システム不安や景気減速懸念いったん後退で大幅反発

 12月1日の東京株式市場は大幅反発。日経平均株価は前日終値比162円77銭高の8597円38銭(上昇率1.93%)と2日ぶりに反発するとともに11月15日以来、ほぼ半月ぶりに終値で8500円台を回復した。TOPIXも同11.55ポイント高の740.01で引け、2日ぶりに上昇した。  日米欧の主要中央銀行がドル資金の供給拡充で協調に動いたほか、中国がほぼ3年ぶりに金融政策を緩和方向に転換。ブラジルも追加利下げを決めたことなどから、欧州債務問題を契機にした世界的な金融システム不安や、中国経済の成長鈍化に伴う世界経済の減速といった不安感がいったん後退。これを受けた世界的な株高の流れに乗った格好だ。東証1部の売買高は概算で20億0019万株、同売買代金は1兆2625億円と1日当たり1兆1000億円台以下で推移した11月から比べて売買エネルギーも盛り上がった。  本日の東京株式市場は前日の欧米株高を受けて買い先行でスタート。前引けは前日終値比177円高だった。昼のバスケット取引は396億5000万円成立し「売り買い均衡」(国内証券)と伝えられた。  後場に入っても堅調な展開は続いた。日本株に遅れて始まったアジア株が軒並み大幅高となったうえ、外国為替市場でも主要通貨に対して円安方向に傾いて推移したことなども好感された格好。中国関連や資源関連などを中心に幅広い銘柄で活発に買われた。12時53分には同219円高の8653円まで買い進められる場面もあったものの、その後は一服し、やや上げ幅を縮めて本日の取引を終えた。  業種別では東証33業種のうち27業種が値上がり。騰落率トップは海運(前日比6.96%上昇)がトップ。2位となった鉄鋼の上昇率も6%を超え、機械、証券・商品先物、非鉄金属、卸売業なども3%以上の上昇となった。下落は6業種。ワーストは食料品(同0.93%下落)で医薬品、情報通信なども値を下げた。  個別銘柄では金融緩和に動いた中国の経済成長が再び加速するとの思惑を背景にファナックやコマツ、日立建機などが大幅高。伊藤忠商事、三井物産、三菱商事といった総合商社や、国際石油開発帝石や出光興産、AOCホールディングスなどの石油企業も、資源関連銘柄としてはやされた。証券会社による投資判断が良好な日東電工やサンケン電気なども買われた。  一方で下落が目立ったのはポーラ・オルビスホールディングス。昨日、豪州の化粧品企業の買収を発表したものの、一部証券会社から買収を懸念するレポートが発表されたのが売り材料になった。NTTドコモが来年にも米アップルの人気スマートフォン(高機能携帯電話)「アイフォーン(iPhone)」の販売を始めると一部で報じられたのをきっかけに、顧客流出につながるのではとの思惑からKDDI(au)やソフトバンクが下落した。ここのところ買われていたセブン&アイ・ホールディングス、ローソン、ファミリーマートといったコンビニ大手銘柄は利益確定売りに押されて値を下げた。  「日経平均を株価チャート上の25日移動平均線でみると、下向きから横ばいに転じつつある。このまま株価上昇が続けば25日線も右肩上がりとなる可能性があり、大勢として買いシグナルかもしれない」(市場関係者)との声も聞かれた。世界の株式市場は、日米欧の主要中央銀行が緊急に打ち出した金融システム不安の封じ込め策や、新興国の金融緩和策が有効に機能するかどうかを見極めつつ、本格上昇局面に移行するかどうかの転換点を迎えつつある。

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