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【来週の投資戦略】米国の追加緩和後退も、欧州金融機関の調整一巡で需給改善に期待

 米国の雇用統計をきっかけに6月4日に急落した日経平均は、5日以降買い戻しが進み、6月8日終値は10週ぶりに前週末比プラスで引けた。

 注目された7日の米国バーナンキFRB議長の議会証言では「金融情勢が悪化した場合、FRBは景気を支える用意がある」としながらも、追加緩和実施の可能性は示唆しなかった。これを受けて7日の米国市場、8日の東京市場は利益確定売りに押される展開となった。欧州問題が残る段階だけに、19日からの連邦公開市場委員会(FOMC)に向けてカードを残しておきたいのは当然だろう。

 ただし、欧州の金融規制強化の期限まで1カ月を切り、金融機関によるポジション調整一巡から需給改善の期待は高まっている。さらに中国が3年半ぶりに0・25%の利下げを発表、減速懸念の中国景気てこ入れに期待が高まる。TOPIXが4日に28年半ぶり安値をつけたことは、長期的には安値として意識される水準となるためマイナスであることは間違いないが、短期的には買い戻しが入りやすくなり、相場反転のきっかけになるととらえる声も多い。

 会員向けの「株式ウイークリー」誌最新号(6月11日配信号)では、会社計画が保守的と見られる業績好調や回復基調の銘柄に注目した。東証1部の騰落レシオや株価指標は売られ過ぎの水準が続いている。為替相場は依然流動的だが、追加緩和や欧州危機回避に向けた取り組みの進展などから相場転換が近いことを意識しておきたい。

(「株式ウイークリー」編集長 本多正典)

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