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過去最大の貿易赤字、中国向け輸出大幅減と資源輸入増加で【1月の貿易統計】

 財務省が20日発表した1月分の貿易統計(速報・通関ベース)によると、貿易収支が1兆4750億円の赤字と4カ月連続の赤字となった。輸出がアジア地域の旧正月の影響もあって4カ月連続の減少となった反面、輸入が資源価格の高止まりと原発稼働停止に伴う代替燃料の需要増加によって25カ月連続の増加となったため。貿易赤字額は2009年1月の9679億円を上回って過去最大を記録した。

 輸出は前年同期比9.3%減の4兆5102億円と4カ月連続の減少。半導体等電子部品、鉱物性燃料、鉄鋼の減少が大きかった。輸入は同9.8%増の5兆9852億円と25カ月連続の増加。液化天然ガス、原粗油、石炭の増加が目立った。

 地域別ではアジア向けの輸出が13.7%減の2兆3564億円と4カ月連続の減少。輸入は9.6%増の2兆7134億円と25カ月連続の増加となった。貿易収支は3571億円の赤字で36カ月ぶりの赤字。

 アジアのうち中国向けの輸出は20.1%減の7413億円と4カ月連続の減少。輸入は7.5%増の1兆3291億円と11カ月連続の増加となった。輸出の減少は春節(旧正月)の影響が大きい。貿易収支は5879億円の赤字と、過去最大の赤字となった。

 米国向けの輸出は0.6%増の7575億円と3カ月連続の増加。輸入は5.7%増の4921億円と3カ月ぶりの増加。貿易収支は2653億円の黒字で3カ月ぶりの減少。

 EU向けの輸出は7.7%減の5313億円と4カ月連続の減少。ユーロ圏の財政債務問題が響いている。輸入は3.5%増の5307億円で10カ月連続の増加となった。貿易収支は7億円の黒字で7カ月連続の減少。

 今後も海外経済の減速により輸出の伸び悩みが続く一方、代替燃料の輸入増加基調は変わらず、復旧・復興需要に関係した輸入の増加も見込まれるため、当面、貿易赤字が続くとの見方が多い。「少なくとも2013年初頭まで貿易赤字は続く可能性がある」(バークレイズ・キャピタル)とも見られる。また、今回の貿易収支の結果を受けて、3月8日に発表が予定される1月の経常収支は09年1月以来の赤字に転落する公算。ただ、1月は季節性や中国の春節の影響が大きく、2月以降は経常黒字に戻る可能性が高い。

(中村 稔 =東洋経済オンライン)

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