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5月の消費者物価指数は4カ月ぶりマイナス、家電の下落、ガソリン価格反落で息切れ

 総務省が6月29日に発表した2012年5月分の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)が100.0、前年同月比で0.1%下落し4カ月ぶりのマイナスとなった。前月比でも0.2%のマイナスとなり同じく4カ月ぶりのマイナス。総合指数は前年同月比プラス0.2%(指数100.1)だった。欧米がコアCPIとして採用している「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数」は、同マイナス0.6%(指数98.8)となり、新基準では2009年1月からマイナスが続いている。

 

 指数上昇に寄与したのは電気代上昇が大きく前年同月比でプラス5.6%。一方、冷蔵庫が前年同月比でマイナス28.5%、下落が続くノートパソコンも同マイナス17.7%となった。パソコンや白物家電の下落傾向が続くうえ、今回は足元の指数上昇に寄与していたガソリン価格が前月比マイナス3.2%となったことが大きい。結果、前年同月比ではプラス0.9%(4月は前年同月比プラス4.2%増)と上昇幅が大きく縮まり、指数に対する寄与度も0.02(4月は寄与度が0.11)とほとんどなくなった。

 同時に発表された全国消費者物価の先行指標となる2012年6月分の東京都区部の消費者物価指数(中旬速報値、2010年=100)は、コアCPIが前年同月比マイナス0.6%(指数99.0)で前月比はマイナス0.1%となった。上昇に寄与したのは全国指数と同じく電気代がもっとも大きい。一方、テレビやエアコンの下落が大きいことがコアCPIのマイナス要因として響いた。また、ガソリンは5月に前年同期比で横ばいだったものが、足元の下落を受けて6月には前年同期比でマイナスに転じており、来月に公表される全国指数の6月分でも同様のトレンドを示すことが予想される。

 7月12日には日本銀行の金融政策決定会合が開かれ、4月の経済・物価情勢の展望(展望レポート)で示した成長率や物価見通しに対する中間評価を行う。4月時点で消費者物価指数(生鮮食品除く)の12年度見通しはプラス0.3%、13年度が0.7%と1月時点の12年度プラス0.1%、13年度0.5%から上方修正を行った。日銀は今年2月に物価安定の目途として1%という事実上のインフレ目標を導入し、金融緩和を推し進めている。4カ月ぶりのマイナスとなった全国指数の状況を踏まえ、どのような「中間評価」を行うのか、注目度が高まりそうだ。

 消費者物価指数は、全国の一般消費者世帯が購入する商品とサービスの総合的な価格の動きを示す指標。景気が好転すると物価が上昇し、景気が悪化すれば物価が下がる、という一般的な傾向がある。5年ごとに改定される基準年の物価を100として、直近の物価の変動率を調査している。2011年7月分から2010年基準に改定された。

(井下健悟 =東洋経済オンライン)

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