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【来週の投資戦略】日米欧の追加金融緩和も、円高や中国リスクで日本株の上値は重い

 米国FRB(連邦準備制度理事会)のQE3(量的金融緩和第3弾)に続き、19日には日銀が資産買入れ基金の10兆円増額などの追加金融緩和を発表した。今回の日銀金融政策決定会合では緩和見送りとの見方が優勢だった中で、市場関係者からは規模の面でもサプライズと受け止められた。為替市場では一時1ドル=79円台、1ユーロ=103円台にまで円安が進行して、内外でリスクオンムードが高まった。

 しかし、翌20日の為替市場では9月期末を控えた企業によるリパトリ(外貨建て資産売却)の影響などから円高に反転。さらに緊張感が高まる日中関係の問題や中国景気の先行き懸念も再燃し、日本株の上値は重いまま。週末21日の日経平均は米国NYダウが約4年9カ月ぶりの高値をつけた流れを受けて小幅高となったものの、終値は前週末終値比49円39銭安の9110円00銭となった。

 会員制の投資情報誌「株式ウイークリー」9月24日配信号では、9月最終週の日経平均は8700-9500円での展開を想定している。日米欧での追加金融緩和が株式市場の下支え要因とはなるものの、欧州債務問題や中国景気の減速懸念、円高が続く為替相場など日本株の上値を抑える材料は多い。

 来週は、国内で26日に8月建設機械出荷額と8月自動車各社の生産・販売実績、28日には8月の完全失業率と有効求人倍率、鉱工業生産指数などが予定されている。また米国では、25日に7月S&P/ケース・シラー住宅価格指数、9月消費者信頼感指数、26日に新築住宅販売件数などの住宅市場関連の指標発表が続く。さらに週末29日には中国の9月製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値の発表が予定されている。

 とくに経済指標の悪化が続いている中国景気に対する先行き懸念がさらに高まれば、10月中旬から始まる中間決算シーズンを前に輸出関連株を中心に業績下方修正の発表も増えてきそうだ。一方、株価の上昇が続いた内需銘柄には利益確定売りも目立ってきており、その中で押し目を形成中の好業績銘柄に注目した。本日のアイフォーン5発売で注目を集めているアップル関連銘柄には過熱感が見られるものの、引き続き注目を集めていきそうだ。また、この時期は9月期末銘柄については権利落ち後の株価下落にも注意しておきたい。

(「株式ウイークリー」編集長 本多正典)

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