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6月の景気動向指数は3カ月連続下降、基調判断は「足踏み」に下方修正【景気動向指数】

 内閣府が6日に発表した2012年6月分の景気動向指数(CI、速報値、2005年=100)は、景気の現状を示す一致指数が前月比で2.0ポイント下降して、93.8となり、3カ月連続の下降となった。先行指数も前月比2.6ポイント下降した。一致指数の3カ月後方移動平均は1.17ポイント下降して、7カ月ぶりの下降。基準に照らして、内閣府は景気の基調判断を「足踏み状態」に引き下げた。

 一致指数の算出の基になっている10項目のうち、寄与度がプラスになった系列は有効求人倍率のみで0.14ポイント。残り9つの項目がすべてマイナスになった。マイナスで最も寄与度が大きかったのが、耐久消費財出荷指数で0.35、次いで所定外労働時間指数(調査産業計)と商業販売額(卸売業、前年同月比)のマイナス0.33。以下、大口電力使用量マイナス0.30、商業販売額(小売業、前年同月比)マイナス0.27、投資財出荷指数(除く輸送機械)マイナス0.21、中小企業出荷指数(製造業)マイナス0.15、鉱工業生産財出荷指数マイナス0.07、生産指数(鉱工業)マイナス0.03と続く。

 

 数カ月後の先行きを示す先行指数10項目でも、上昇に寄与したのは、長短金利差の寄与度0.02のみ。他の9項目はすべて下降に寄与し、最も引き下げたのが、鉱工業生産財在庫指数のマイナス0.83、次いで新設住宅着工床面積のマイナス0.49、中小企業売り上げ見通しDIのマイナス0.46、日経商品指数(42種総合)のマイナス0.37、新規求人数(除く学卒)のマイナス0.23などとなった。

 軒並み構成品目が悪化の方向に向いているが、主な要因は自動車。「鉱工業生産指数そのものはそれほど悪くなかったが、自動車中心にマイナスになったことで、所定外労働時間、大口電力使用量など生産にかかわる項目が揃って悪化した。さらに、耐久消費財出荷指数でも乗用車や二輪車のマイナス、中小企業出荷指数にも自動車部品と自動車関連が響いた」(内閣府経済社会総合研究所)という。

 一方、商業販売額の小売り、卸売りも低下要因となったが、内閣府によれば、これにはいくつかの特殊要因が重なったという。まず、小売りに関しては、昨年の6月に、地上デジタル放送移行前の駆け込みでテレビが売れており、今年はその反動減があったこと。さらに、今年の6月は台風の襲来など天候不順であったため、衣料品や飲料の消費が落ちたこと。卸売に関しては、原油価格の下落が、石油製品の価格と数量の両面に影響したという。

 商業販売額の特殊要因については今後、その払拭も考えられるものの、自動車の生産・消費に関しては懸念材料が多い。6月の生産の低下は、海外景況の悪化による輸出減速の影響が大きいという。また、国内についてはエコカー補助金の予算切れの影響も懸念される。

 景気動向指数は、生産、雇用、販売、在庫など、景気に敏感な複数の経済指標を組み合わせて算出する統計。足元の景気動向を示す一致指数のほか、先行きの景気動向を見通す先行指数、景気動向に遅れて推移する遅行指数の3種類に分かれる。内閣府は09年3月調査分までは、3カ月前に比べて改善した指標が占める割合(DI)を景気動向指数の算出指標としてきたが、09年4月以降分は、景気に敏感な指標の量的な動きを合成して出したCIを算出指標としている。

(大崎明子 =東洋経済オンライン)

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