「買いたい弱気」に応える!値ガサ株を「松竹梅」で仕分け

スケジュール=1/9の週の話題

古庄 英一
2017年01月08日
新春らしく値ガサ株を「松竹梅」に仕分けしてみると……(Pi-chan / PIXTA<ピクスタ>)

 年末にかけての金融証券界は例年になく忙しかったそうだ。ある準大手証券の国内営業部隊は、トランプ氏の大統領当選と米国利上げのダブル効果で、高金利の海外債券や投信が好調に売れ、手数料をがっちり稼いだとのことだった。

 ただ日本株営業に関しては、新規需要はそこまで盛り上がらなかった様子。これは、昨年1月の大発会が大暴落で始まり、2月にかけて大幅続落した“教訓”が頭をよぎったから。それでも1年前とは異なり17年新春相場は、先高観が感じられる。下がりそうなので買うタイミングを待つ「買いたい弱気」が投資家心理の中で支配的なのだろう。

 そこで新年最初の本稿は、特別バージョンを用意した。昨年末に相場を牽引した東証1部市場の値ガサ株に大注目した。「買いたい弱気」の対象が集まっていると判断してクリスマス休暇前の12月22日の相場表から値ガサ株を摘み出した。値ガサ株といっても決まった定義はない。株価の下限を5000円として摘み出すと、不思議なことにちょうど100銘柄だった。東証1部上場銘柄は2000を突破したばかりで、全体に占める比率は5%となる。

 実際に「買いたい弱気」に応える物色対象をどう絞り込めばよいのだろうか。12月27日のザラバ中に三つの段階(新年にふわさしく「松竹梅」)で仕分けを試みた。まず「松」は100銘柄のうちで株価が1万円を突破している銘柄のみに着目する手だ。大東建託(1878)ディスコ(6146)SMC(6273)ほか22銘柄が該当。このうち押し目を狙うのであれば、1万円を辛うじてキープする日本電産(6594)東日本旅客鉄道(9020)の大台を割ったところだろう。

 次の「竹」は株価が1万円突破を目指すモメンタム(勢い)を感じさせる銘柄に着目する手だ。9000円台は6銘柄だった。その筆頭が信越化学工業(4063)だ。10年前に付けた9580円の上場来高値更新はなるのか。米国の塩ビ事業拡大を見込む“トランプ銘柄”に名を連ねる。

 次点は日東電工(6988)だ。15年7月高値1万0435円を上抜くのは、今期大幅減益の通期予想が円安恩恵で上振れることだ。とはいえ『会社四季報』新春号は今期こそ会社予想より減益幅を縮小しているものの、来期も偏向板減少を見込んで連続微減益と独自予想している。こうした厳しい先行きを打ち破る支援材料が1万台復帰への条件となりそうだ。

 また、コーセー(4922)ポーラ・オルビスホールディングス(4927)は大台定着が宿願となっている。カギはインバウンドの動向だ。昨年はクリスマスを前にアジアの富裕層らが大挙来日。大都市の繁華街や北海道などスキーリゾートに長期滞在していたそうだ。1月17日午後4時に政府観光局(JNTO)が訪日外客数の「16年12月分・年計(推定値)」を発表するので注目したい。

 残りは、ウインターストップのリンナイ(5947)とテレビCMで主力品の露出が目立つ大正製薬ホールディングス(4581)だ。

 最後に「梅」。こちらは6000円前後の株価が付いた銘柄。“粒ぞろい”と見込んだからだ。ヤーマン(6630)ダイドードリンコ(2590)塩野義製薬(4507)久光製薬(4530)ぺプチドリーム(4587)京セラ(6971)JCU(4975)トランコム(9058)日本オラクル(4716)NTTデータ(9613)が該当した。

 日経平均株価は、21世紀に入って一度も2万円台定着を果たしていない。そのカギが“値ガサ株”であることは自明。なお上記で取り上げなかったが、医薬品、ハイテク電子部品、流通小売り大手に“値ガサ株”が多い。“土地勘”がある業種や銘柄群だけを相場表から見つけ出し、四半期決算の発表予定を念頭に入れながら分析をしてみることをお薦めしたい。

(『株式ウイークリー』編集長)

スケジュール

日付 イベント
1月9日(月) 東京市場休場:成人の日
1月10日(火) 決算発表:ABCマート、ユニー・ファミリーマートHD、イズミ
ブラジル中央銀行金融政策委員会(~11日)
1月11日(水) 決算発表:ローソン、キユーピー、ウエルシアHD、コスモス薬品、不二越、サイゼリヤ、乃村工藝社、吉野屋HD
米国決算:KBホーム
1月12日(木) 11月国際収支
12月景気ウオッチャー調査
決算発表:サカタのタネ、S Foods、ディップ、大黒天物産、トレジャー・ファクトリー、セブン&アイHD、ライフコーポレーション、ファーストリテイリング
米国イエレンFRB(連邦準備制度理事会)議長がタウンホール
形式の会合に参加
1月13日(金) 決算発表:キャンドゥ、ドトール・日レスHD、コーナン商事
米国12月小売売上高
米国12月生産者物価指数
米国1月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
米国決算:JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカ
1月16日(月) 11月機械受注
12月国内企業物価指数
米国市場休場:キング牧師記念日
1月17日(火) 世界経済フォーラム年次総会(スイス、~20日)
(注)予定は変更されることがあります
(出所)東証HP、大和証券とみずほ証券のマーケット情報
料金:月額1万円から
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