今年の最後はあえて大赤字銘柄に注目だ!

悪夢からの復活を狙え

藤本 誠之
2016年12月27日
大赤字を計上した三菱自動車はゴーン日産社長が会長となって再建に着手(撮影:大澤誠)

 まいど、相場の福の神こと藤本です。株式相場で勝つには「半歩先読み」が重要です。

 上場企業はさまざまな要因で巨額損失を計上して大赤字になるリスクがあります。昨年、2015年度に巨額の損失を計上して、最終損益が大赤字になった銘柄に下記の3銘柄がありました。当然、株価も大きく売られましたが、今年の株価推移は堅調なようです。

 これら企業のうち東芝は、原発子会社ウエスチングハウスが買収した米原子力サービスの資産査定をめぐって1000億円規模の損失計上が報じられ、株価は“掉尾の一振”を真逆に行く形になってしまいましたが、経営再建中のシャープは27日のNHKニュースで、今年10月から12月までの3カ月決算で最終黒字を確保したと報じられました。

東芝(6502、東証1部)
 2016年3月期純利益▲4,600億円
 2016年3月31日終値219.0円→2016年高値475.2円(12/15)=上昇率117%

JXホールディングス(5020、東証1部)
 2016年3月期純利益▲2,785億円
 2016年3月31日終値433.8円→2016年高値531.3円(12/12)=上昇率22%

シャープ (6753、東証2部)
 2016年3月期純利益▲2,560億円
 2016年3月31日終値129円→2016年高値265円(12/9)=上昇率105%

 上場企業の約7割を占める3月決算企業の中には9月中間決算期末時点で、大赤字になっている銘柄があります。今期の大赤字銘柄も、上記の3銘柄が復活したように、来期に期待できるかもしれません。この連載コラムも2016年は今回が最後。2017年に期待できる銘柄として中間期末に大赤字を喫した3銘柄に注目してみましょう。

日本郵船 (9101)東証1部

 東京都千代田区丸の内に本社を置く海運国内トップ企業。海運事業をコアとしながらも、従来型の海運会社の枠を超えた幅広い海・陸・空のサービスによる差別化が基本戦略です。子会社の日本貨物航空が、北米・欧州・アジアとの国際航空貨物輸送事業を展開しています。また、日本郵船グループは世界38カ国で447カ所の物流事業拠点を展開。グローバル化・多様化する物流ニーズに対して、グローバルネットワークを構築することで多様な物流サービスメニューを提供しています。

■赤字の状況(16年4~9月期決算)
 バラ積み船とコンテナ船の想定以上の市況低迷と航空輸送事業の赤字で、本業の儲けを示す営業利益段階から224億円の赤字に転落(前年同期は386億円の黒字)。さらにはコンテナ船・ドライバルカー・貨物航空機の減損損失などで巨額の特別損失を計上し、半期の当期損失は2450億円に上りました(前期は547億円の黒字)。

■株式データ
株価224円
単元株数 1,000株
予想PER(連)赤字
実績PBR(連) 0.75倍
予想配当利回り 無配
時価総額 3,809億円

三菱自動車 (7211、東証1部)

 東京都港区芝に本社がある乗用車の中堅企業です。三菱商事、三菱重工など三菱グループが大株主でしたが、日産自動車が新たな筆頭株主となり、同社ゴーン社長が会長となって再建途上です。軽自動車や電気自動車(EV)など広範な業務提携を行っています。

■赤字の状況(16年4~9月期決算)
 日本での燃費不正問題による生産・販売停止の影響や市場措置費用の増加、円高の影響などで本業の儲けを示す営業損益は316 億円の赤字(前年同期は584億円の黒字)に転落。さらに特別損失として、燃費試験関連費用1662 億円を計上したことなどにより、半期での当期損失は2196 億円の大赤字(前年同期は520億円の黒字)となりました。

■株式データ
株価668円
単元株数 100株
予想PER(連)赤字
実績PBR(連) 1.6倍
予想配当利回り 1.5%
時価総額 1兆208億円

川崎汽船 (9107、東証1部)

 東京都千代田区内幸町に本社がある海運の大手企業です。世界の海上輸送のニーズに適応した、さまざまなタイプの船隊を保有・運航する世界有数の総合海運会社です。特にコンテナ船に強みを持っています。

■赤字の状況(16年4~9月期決算)
 強みのコンテナ船は船腹に余剰感が強く、大手競合社の経営問題も生じ、厳しい市況が続きました。ドライバルク船市況も低水準で推移しています。この結果、半期での売上高は前年同期比26%減の4911億円、営業損益は264億円の赤字(前年同期は187億円の黒字)、当期損益は504億円の赤字(同116億円の黒字)となりました。

■株式データ
株価272円
単元株数 1,000株
予想PER(連)赤字
実績PBR(連) 0.9倍
予想配当利回り 無配
時価総額2,555億円

*株価データは12月26日終値ベース。予想配当は、東洋経済新報社予想。

藤本誠之(ふじもと・のぶゆき)/SBI証券投資調査部シニアマーケットアナリスト。愛称は「相場の福の神」。ITストラテジスト、オールアバウト株式ガイド、阪神タイガースファン。著書に「朝13分で、毎日1万円儲ける株」(明日香出版社)など。
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