3月「東証1部昇格」期待の福の神特選3銘柄はコレ

出世魚を探せ、第2弾

藤本 誠之
2017年02月13日
新規上場して1年が経過すると1部に昇格するケースが多い。エボラブルアジアも有力候補だ

 まいど、相場の福の神こと藤本です。株式相場で勝つには「半歩先読み」が重要です。

 今回は昨年10月に配信した「出世魚を探せ!」企画の第2弾。前回もご紹介しましたが、成長に伴って呼び名が変化する魚のうち、特にスズキ、ブリ、ボラを「出世魚」と呼びます。中でも有名なのはブリで、関東ではワカシ → イナダ → ワラサ → ブリ、関西方面ではツバス →ハマチ → メジロ → ブリと呼び名が変化していきます。ちなみにサケやウナギは呼び名は変わりますが出世魚とは呼ばないそうです。

 株式市場でも上場市場を変更して出世していく銘柄があります。主な市場変更のルートは次の四つです。

①東証2部→東証1部
②東証マザーズ→東証1部
③東証ジャスダック→東証1部
④東証ジャスダック→東証2部→東証1部

 決算期変更を行わない場合、前の市場に上場してから1年以上経過後に昇格するケースが多いのです。今回は昨年3月に新規上場した銘柄の中から、相場の福の神特選・3月に東証1部昇格が期待できる銘柄として3銘柄をご紹介しましょう。

イワキポンプ(6237、東証2部)

2016年3月18日、東証2部新規上場

 東京都千代田区神田須田町に本社があるケミカルポンプに特化した総合メーカーで国内トップクラスの企業です。ケミカルポンプは、化学薬品などの薬液移送に使用されるポンプで、幅広い産業分野で活用されています。

 工場、プラント、処理場や装置に組み込んで使用する際に、腐食性の強い薬品・気体に対して耐性を持ち、長寿命化と安全性を加味しています。身近なところではプールや温浴施設、劇場の大型プロジェクターなどのほか人工透析装置でも使われています。

 ポンプのデパート戦略をとっており、国内トップシェアのマグネットポンプ、定量ポンプ、空気駆動ポンプ、回転容積ポンプ、エアーポンプなどさまざまなポンプを作っており、ポンプ以外ではセンサーを組み込んだ検査装置等のシステム製品も製造しています。

 さまざまな産業向けに販売されますが、水処理、半導体・液晶、医療機器向けで売り上げの50%超を占めています。海外売上高比率は37%(2016年3月期)と高く、欧米やアジアに幅広く販売しています。

 研究開発・製造から販売・メンテナンスまで全工程をグループ内でカバーし、多品種少量生産を強みとしながらも年間80万台の生産能力を持っています。

■株式データ
株価 2,544円
単元株数 100株
予想PER(連)12.05倍
実績PBR(連) 1.23倍
予想配当利回り 2.44%
時価総額 190億円

エボラブルアジア (6191、東証マザーズ)

 2016年3月31日、東証マザーズ新規上場

 東京都港区に本社。航空券の予約サイト「空旅」の運営と、ベトナムでのITオフショア開発が2本柱です。取扱高200億円を突破しているオンライン旅行事業は、国内航空券OTA(Online Travel Agent=店舗を持たずインターネットだけで展開する旅行会社)業界のトップ企業です。

 直接顧客に販売する自社運営サイトだけではなく、国内航空券・旅行、海外航空券・ホテル商材を、他社の媒体向けに旅行コンテンツとしてOEM提供するBtoBtoCサービスも行っています。

 ベトナム人500人のITエンジニアを要するITオフショア開発事業では、従来型の受託型開発とは一線を画し、完全専属チームを提供しチーム責任者に直接依頼・進捗確認しながら開発していく、ラボ型オフショア開発が特徴です。

 また、3本目の柱として訪日旅行事業を育成しています。オンライン旅行事業で蓄積したノウハウを訪日外国人向けサービスや民泊運営企業向けサービスに活かし、今後のインバウンド需要に向けて旅行事業を提供していくようです。
 ネット販売、海外でのオフショア開発、訪日旅行事業とまさに伸びそうな分野に注力するエボラブルアジアは、今後大きく成長しそうな企業です。

■株式データ
株価 3,590円
単元株数 100株
予想PER(連)99.72倍
実績PBR(連) 26.31倍
予想配当利回り 無配
時価総額 626億円

ヨシムラ・フード・ホールディングス (2884、東証マザーズ)

2016年3月4日、東証マザーズ新規上場

 東京都千代田区に本社がある持ち株会社で、傘下に食材総合商社のヨシムラ・フードはじめ、シューマイや日本酒醸造、とんかつ、ピーナツバターなどの食品会社11社を擁しています。なじみが深いのは、赤い箱で有名なチルドシューマイの楽陽食品や、ピーナツバターのダイショーなどでしょう。

 中小食品会社にはすばらしい商品や技術力を持つ企業が少なくありませんが、少子高齢化による市場の縮小、後継者不在などにより単独での生き残りが難しくなっています。こうした会社の株を引き受け、後継者がいない会社の受け皿になることによって、各社の持つ「強み」を伸ばし、「弱み」を補い合うためのプラットフォームを構築することで、中小食品企業の再生・活性化を行っている企業です。

 傘下に収めた企業は基本的には売却せず、グループ企業として永続的に支援を行います。このビジネスモデルに共感して、官民出資の投資ファンド産業革新機構やJTが出資し、大株主となっています。

 中小食品会社は後継者難で売り手は非常に多いのですが、逆に買い手はほとんどないそうです。すでに傘下入りした食品会社が安定成長し、そこにM&Aによって新たに傘下入りする企業が増えればさらに成長が加速しそうです。

■株式データ
株価 2,707円
単元株数 100株
予想PER(連)49.04倍
実績PBR(連) 3.41倍
予想配当利回り 無配
時価総額 116億円

*株価データは2017年2月13日終値ベース

藤本誠之(ふじもと・のぶゆき)/SBI証券投資調査部シニアマーケットアナリスト。愛称は「相場の福の神」。ITストラテジスト、オールアバウト株式ガイド、阪神タイガースファン。著書に「朝13分で、毎日1万円儲ける株」(明日香出版社)など。
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